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WMC 2005

マイアミで行われる、ダンスミュージック界の大イベント『ウィンター・ミュージック・カンファレンス』(以下WMC)。毎年、世界各国のDJ、プロデューサー、レーベル関係者や音楽系メディアが集い、その年のダンスミュージックトレンドを作り出すといわれているこのイベントに行ってきました! 今年で20周年を迎えたWMCのレポートはもちろん、「来年こそ行きたい!」と思っている人へマイアミガイドもしちゃいます!

兎にも角にもパーティーでいっぱい!

WMCでは、マイアミビーチ沿いのクラブ、ホテル、バーやビーチ、 そしてダウンタウンのクラブなど90店舗を越す場所で連日連夜パーティーが行われている。会場によっては昼の12時頃から夕方までパーティーをおこなった あと、11時からまた別のパーティーがはじまるという「音と踊り」が尽きない一週間なのだ!

パーティー検索にマストな一冊

90店舗でほぼ24時間体制をとるとなると、パーティーの数もハンパじゃ ない。期間中約300以上のパーティーが行われるが、そうなるとはっきり言ってどこに誰が出演するかを調べるのもひと苦労なわけ! 事前にWMCのパー ティーラインナップを公開するウェブサイト(オフィシャルサイトやクールジャンキーなど)を調べて行くのも手ですが、それよりも現地で手に入るパーティー ガイド本『ザ・リスト』や『マスターリスト』が超便利! これはワシントンアヴェニュー1543にあるグルーヴマンミュージック(http://chopinhaguen.com/) というレコードショップに各フライヤーとともに大量においてあるほか、各会場近辺のカフェや飲食店でも無料でゲットできるパーティー情報源。クラブやホテ ルの住所や地図、そして各会場でどんなパーティーが行われるかがすぐに分かるスグレものなのだ! おまけに大きさははがきサイズくらいなのでポケットに入 れて持ち歩きができるのだ。そんなわけで、これらを使って事前にパーティーを調べて「今日はこれとこれ!」って的を絞ってパーティーに向かうわけ!

[ オフィシャルサイト ] http://www.wintermusicconference.com/
[ マスターリスト ] http://www.m3summit.com/masterlist/main.php
[ クールジャンキー ] http://www.cooljunkie.com/miami/

パーティーが集中するエリアは大きくわけて2つ

行 きたいパーティーが決まったら会場に足を運ぶわけなんだけど、パーティー会場は大きく分けて2つのエリアに分かれている。1つはホテルが密集するマイアミ ビーチ沿いを平行して走るコリンズアヴェニューやワシントンアヴェニュー。もう1つがそこからタクシーで20分ほど走ったところにあるダウンタウンだ。約 70店舗のクラブ、ホテルやバーでにぎわうコリンズアヴェニューやワシントンアヴェニューの会場はいつも人であふれているが、もう一方のダウンタウンはひ とけのない場所に<スペース>や<ウェアハウス>といった大箱クラブが20件ほどひっそりとあって、オープン時間近くにならないと行列ができない感じだ。 ダウンタウンのクラブの前にはひっきりなしにタクシーが行き来していて帰りはクラブの前からすぐにタクシーに乗るというのがほとんど。というのもこの辺は ひとけがないので1人歩きは禁物なのだ。

ホテルはここに取るべし!

”毎日パーティーに出かけたい!”という気合いの入った人なら、ホテルはコリ ンズアヴェニュー、ワシントンアヴェニューの10~20番地を押さえるのがベストだ。そこをベースにすれば、マイアミビーチ沿いの会場へは歩いていける し、ダウンタウンへもタクシーなら20分ほどだ。期間中は当然パーティー野郎になっているので、ホテルへはほとんど「寝」に帰るだけ。ちゃんとお湯がでる シャワーとベッドがあるだけで十分なのだ! また、この近辺にはレストラン、ファーストフードやコンビニがそろっているので、食事面でも非常に便利な位 置ってことにもなる。

マイアミクラブの特徴

マイアミのクラブはとにかく音がでかい! 特設会場となっているホテルのラウンジ でも、日本のクラブ並みのでかいスピーカーがついていて、耳栓がないと耳がいたいくらいだ。大きいクラブになると音響設備、照明設備もさらに充実してい て、フロアスペースがいくつもある。そんな複数のスペースに世界中のDJたちがこぞってブッキングされているので、メインフロアとラウンジフロアで同時に ビッグネームがプレイする光景もざらなのだ。エントランス料金は通常 20~40ドル相場だけど、規模が小さくなると無料ではいれるパーティーもある。ほとんどのパーティーはドリンク料金と入場料は別料金で、酒や水はなかの バーで注文することになる。飲み物の相場は8~10ドル。たいていのバーはごった返していることが多いので、入ったらすぐに水をゲットすることをお勧めす る。んで、肝心のパーティージャンルなんだけど、主にハウスがメインで、ハウスの中でもディープハウス/ガラージ系、プログレッシヴ/テック系の大きく2 種類にわかれる。<キング・ストリート>や<ソウ・レコーディングス>といった日本のレコードショップにも並ぶおなじみの有名レコードレーベルによるパー ティー、アーティストマネジメント主催のパーティーやメディア主催のパーティーなど仕切りもさまざまだ。また、コリンズアヴェニューやワントンアヴェ ニューといったパーティー会場密集地はお店同士が密接していているので「クラブのとなりがクラブ」というシチュエーションが多い。エントランスで並んでい ると、両方のクラブからそれぞれ違うジャンルの音が聴こえてくるので会場に入る前からワクワク感でいっぱいなのだ。ちなみにゲストリスト以外で入場する際 は必ずIDチェックがあり、どでかい黒服のセキュリティーのお兄ちゃんに確認してもらわなければならない。だもんで向こうでクラブを回る際にパスポートが 必須になる。うっかりパスポートをホテルに忘れてくると、取りに戻ってまた入るために行列に並びなおすという始末で、楽しい時間が何時間もけずられてしま うこともあるので要注意です!

今年のトレンドはディスコやエレクトロ!

人気DJともなると、期間中は毎日どこかのクラブでDJをして いることになるのだけれど、僕が行ったパーティーの中で今年特に目立っていたのは、昨年<ベッドロック>より“オリジナル・シリーズ”をリリースしたディ シン・マシエロや“スカイラーク”名義で数々のリミックスをリリースしているニック・ファンチューリ、そしてディスコハウス、エレクトロを進化させたプレ イが売りのルーク・フェアーだ。彼らのサウンドの基本はプログレッシヴハウスなのだけれども、ダークな感じはほとんどなく、ディスコテイストの音色やベー スラインをつかった楽曲、エレクトロな楽曲で構成されるプレイスタイルだ。これからリリースされる楽曲のトレンドも、ディスコテイストのものや、エレクト ロの要素をもったファンキーな楽曲が話題を呼びそうだ。僕が今回行ったパーティーの中で特に印象に残ったのは3月21日にダウンタウンの<スペース>で行 われた「PHUTURE」というパーティーで、本当は<スペース>のとなりの<ノクターナル>というクラブでやるはずだったんだけど、改装工事がオープン に間に合わず急遽会場を変更して行われたパーティーなのだ。『WMC2005』の初日にディシン・マシエロ、ルーク・フェアーやジェームス・ホールデンと いった注目の新星アーティストが出演していて、彼らのサウンドを聴いた瞬間に今年のトレンドが感じられたパーティーだった。なかでもディシン・マシエロが ピークタイムでプレイしていた楽曲、ブッシュ・Ⅱ・ブッシュ“Piano Track”や日本人DJ・プロデューサー、オサム Mのリミックスによる エラスティック・リアリティー“Cassa De X”は今年のクラブフロアを大爆発させるアンセムになりそうだ!

さんさんとした太陽の下、開放感でいっぱいなニッキービーチ

マイアミといえば海! ということで週末に なるにつれビーチパーティーも増えてくるとはいえ、実はビーチパーティーといっても浜辺でパーティーをやるっていうのではなくて、パーティー専用の会場が ビーチにあるのだ。特に代表的な<ニッキー・ビーチ・クラブ>は、週末になると朝から行列をつくるほどの人気スポットだ。ここにはサングラスに上半身裸の クールガイたちやビキニ姿のセクシーギャルたちが、灼熱の太陽光線がふりそそぐ昼11時から翌日の朝5時までコロナビールを片手に踊っている開放感抜群の 空間なのだ。さらに有料だけどハンモックやビーチベッドなどまったりできるオプションサービスもあるので、お金と時間に余裕がある方は会場に入ったらすぐ に申し込むことをお勧めする。今年も目玉パーティーとしてイギリスの「BBC レディオ1」やアメリカの「メディアサービス NYC」が主催するパーティーが行われていて、ビッグネームDJや期待の新人が代わる代わる会場のクラウドをヒートアップさせていました!