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異国情緒溢れるタイの音楽トレンドと世界最大級のビーチパーティー

取材・文:宮野さや夏
撮影:川野結李歌

歴史的建造物や寺院巡りをはじめ、アジアングルメやバカンスが堪能できることから旅先として人気の高い国・タイ。近年は、音楽フェスやパーティーの盛り上がりが著しく、旅好きのみならず音楽好きからも注目を集めている。今回は、スペインのイビサ、インドのゴアと並ぶ世界三大パーティーのひとつとして知られる、パンガン島の『Full Moon Party』や首都バンコクのクラブ事情をはじめ、タイ旅に役立つ情報も合わせてご紹介しよう。


海辺の開放感がたまらない、『Full Moon Party』の魅力

タイの離島・パンガンで月に一度、満月の夜に開催される『Full Moon Party』は、クチコミから始まり、今では、ソーシャルメディアを通じて毎月2〜4万人もの人が訪れる。
その歴史は、1988年に遡り、地元民とロングステイのツーリストとのアットホームな雰囲気と関係性から生まれたファミリーパーティーが始まりだったそう。それを教えてくれたのは、このイベントの創始者の一人、スゥッティ氏(現・『The Rock』のオーナー)の甥にあたるブレイン氏。
「当時、ビーチを照らす満月の光が明るく、その下で行われていたことが名前の由来になったと聞いています。このパーティーの発祥スポットである『PARADISE RESORT』(現在は、リゾートホテル『LITTLE PARADISE』として営業)の前には石造りのモニュメントがあり、今でも記念撮影の場所として人気ですよ」。
 
撮影:宮野さや夏


会場となるビーチ沿いにはレストランやホテルがあり、パーティーの夜になると、日本のいわゆる海の家のような雰囲気の露店が出現する。

取材当日、聴こえてくる音のジャンルはじつに様々で、タイの音楽トレンドであるEDMはもちろん、ヒップホップやロックと幅広く&ポピュラーな楽曲も。また、肉眼でDJブースが見えるところもあれば、そうでないこともある。「この仕組みには何か理由があるのだろうか?」という疑問をブレイン氏に投げかけてみたところ、
「ビーチ沿いで音楽を発信しているのはホテル主体がほとんどです。DJのセレクトや設備などは、ホテルの担当者によってコーディネイトされているので、趣味趣向と設置場所の違いはあると思います。DJブースは2階位置がほとんどで、今は、10ブース前後が設置されているはず」と。
有名DJ、ヘッドライナーは居ないものの、開放感のある海辺で大音量の音楽が楽しめるという環境こそが、このパーティーの醍醐味なのかもしれない。



入場料は一人100バーツ。ポップなデザインのリストバンドと引き換え

パンガン島の一大イベントは、ビーチだけでなく周辺エリアもお祭り状態! パーティースタイルを盛り上げるブラックライトで光るペイント(簡易タトゥー)が体験できる露店をはじめ、アイテムや名物のバケツ売りのアルコール、地元グルメを販売する店などが多数あり、陽気なパーティー・ピープル達で溢れている。これが毎月一度のことだというから、本当に驚くばかり。





タイの離島を満喫するためのススメ

パンガン島では、パーティーをONに例えると、ホテルやビーチでゆっくりするOFFの時間も大切。ちなみに、パーティー明けの午前中に訪れた会場=ハード・リン・ビーチは、夜の光景が幻だったのか!? と思うほどの美しい海と風景、バカンスを楽しむカップルやファミリーの姿が印象的で、その周辺を散策するのが楽しくなるほど。


また、パンガン島までは飛行機※を利用してサムイ島を経由する必要があるため、せっかくなら日常では味わえない過ごし方ができるサムイ島に一泊するのが◎。海と山に囲まれた離島ならではのアクティビティや観光スポットとして人気のナイトマーケットなどもあるので旅の思い出づくりにぴったりと言える。

サムイ島からパンガン島への交通手段は、格安のクルーズ船と割高のチャーター式スピードボートがあるので旅の予算とお好みで選択を。※サムイ島までは、バンコクからの乗り継ぎ飛行機を利用。

自然に囲まれて優雅なひと時が過ごせる、「KC Resort & Over Water Villas


タイの首都・バンコクのクラブ事情

国際色豊かなバンコクには、大箱から小箱まで音楽を楽しめる場所がある。その中で、人気を博しているクラブ、『INSANITY』は、世代も性別も問わず多くの人で賑わう大型クラブだ。


2017年にスクンビット・エリアに移転&リニューアルオープン。キャパシティ900人、音響設備にもこだわったバンコク市内最大規模のこの場所は、EDMやFull Houseの音楽を楽しむことができる。注目すべきは格納式の照明システムやエンターテインメント性の高い演出。



取材当日は、ヒップホップやR&Bをはじめとする多ジャンルのミックスで観客を魅了するLADY LEEがメインDJを務め、深夜になっても大盛り上がりをみせていた。

在住外国人が多く、多種多様のお店が集まるスクンビット・エリアには、バンコク在住のライターも足を運ぶ、タイ東北部イサーンの伝統音楽のモーラムや世界中の民族音楽、ルーツミュージック、ファンクなどをミックスする独自のスタイルで知られる『Studio Lam』やラウンジ的な雰囲気が漂う『Beam』などもあるので、気分に合わせて選ぶというのも悪くないかも。タイでは、スーパーやコンビニでの酒類の販売時間が定められているので、深夜にお酒&音楽を楽しみたいという人には、こうしたクラブやラウンジが重宝されるのも納得できる。



アクセスの良いホテル選びで、旅をブラッシュアップ!

繁華街のスクンビット・エリアには、もちろん、多くの宿泊施設がある。しかし、観光も兼ねてあれこれ楽しみたいという人には、お隣のサイアム・エリアのナショナルスタジアム駅(BTSスカイトレイン)から徒歩5分の立地にある、『Saiam @ Saiam Design Hotel Bangkok』をおすすめしたい。


個性的な装飾や遊び心に加え、街並みを見渡すルーフトップバーやインフィニティプールでのひと時が味わえるこのホテルは、スクンビット・エリアへも行きやすく、近くにはナイトマーケットやお手頃価格で施術が受けられるマッサージ店、ショッピングセンターなどがあるので、あれこれ楽しみたい人は参考に!
撮影:宮野さや夏

撮影:宮野さや夏

また、バンコクの最新スポットとして注目の商業施設『ICONSIAM』 や、高さ314mからの眺望が体感できる『Mahanakhon Sky Walk』にもアクセス良好なので、旅の思い出づくりに足を向けてみてはいかがだろう。
『ICONSIAM』の1階には、タイの地元グルメが食せる大規模のフードマーケットがあるのでランチに是非

『Mahanakhon Sky Walk』からの眺望

 “微笑みの国”として有名かつ温暖な気候に恵まれたタイは、あらゆる意味でホットな体験ができるスポットだ。 2019年は、FATBOY SLIMやSTEVE AOKI、『EDC Japan』に出演が決まっているTIESTOがヘッドライナーを務めるタイの旧正月のお祭り、ソンクラーン(通称・水掛け祭り)とダンスミュージックが融合した『S2O Songkran Music Festival』(4/13〜15)をはじめ、AfrojackやDash Berlin、Fedde Le Grandも出演歴のある『Waterzonic』(9〜11月頃予定)、開放的な空間と広大な敷地に点在するステージが魅力の『Wonderfruit』(12/12〜16)など、アジア最大級の音楽フェスの開催が控えているので、観光だけでなく、ミュージックシーンの盛り上がりも合わせて体感してみてはいかがだろう。

取材協力:
タイ国政府観光庁
https://www.thailandtravel.or.jp/

バンコクエアウェイズ
https://www.bangkokair.com/