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DJ Deckstream

きっかけは、リリース元のLASTRUMからのオファーですね。「カバーアルバムの企画に興味ある?」と訊かれて、まだやったことのないプロジェクトだったから面白そうだなと。それで前作「Music Castle」を作った。それが好評だったので、続編となる第2弾を制作することになったんです。 音楽を楽しむ場や空間、というイメージ。ここには誰もが楽しめるサウンドが詰まっていると思います。そう、このジャケットに描かれた絵のような世界観ですね。ジャケットには「I give you magical time if you come with me」って書いてあるけど、まさしくそういうコンセプトの作品です。 この作品は妻のMilkaが歌うボーカル曲がメインだけど、インスト曲も収録しています。インストはあまりやったことがなくて、今までは歌やラップありきで完成するトラックを作っていた。なにかのリミックスでも、誰かに曲提供するにしても、ボーカルが載ることを想定して作っているんです。インストには展開が欠かせなくて、それは自分の中で未開拓の分野だったけど、だからこそやってみたいと思いましたね。とはいえ、むずかしさは感じなかったです。むずかしさを感じるということは自分に迷いがあるってことだと思うけど、自分は考え過ぎてもいい結果にならないんですよ。悩みながらアレコレ手を加えるよりも、最初の直感を信じて仕上げたトラックの方が、結果的にはよかったりする。制作初期の段階でじっくり作り込んで、あとはほとんど手を加えない。でももちろん、でき上がったトラックを100回くらい聴き返して、納得できたものだけをリスナーに届けています。 そうですね。楽しみながら作ってるから、サクサクとトラックができ上がる。まだ外に出してないストックは山ほどありますよ(笑)。自分にとって、トラック制作は趣味や遊びの延長なんですよね。MPCってオモチャみたいじゃないですか? サンプラーは打楽器にもなれば、弦楽器や管楽器にもなる。でたらめに音をチョップしてたらいいフレーズになることがあったり(笑)。ゲーム感覚で、楽しみながら制作してますね。 前作は原曲の雰囲気を壊さないように注意しながら作った感じもあるけど、今回は原曲のイメージをガラリと変えるおもしろさを見せようと思いましたね。 思い入れのある曲を選んだ面もあるけど、今回はそのミュージシャンの代表曲とか、そういう誰もが知っている曲をあえて選んだ感じもあります。有名な曲の方が、カバーした時に「あの曲がこういうサウンドに生まれ変わったのか!」っていう新鮮な驚きを持ってもらえると思いました。メロディがしっかりしてる原曲ばかりだから、曲調をガラリと変えても原曲の持ち味は損なわれないとも思いましたね。もともと自分はロックを聴いて育っていて、ずっとギターを弾いてたし、だから選んだ曲は昔聴いていたものばかりです。ニルヴァーナ、オアシス、レディオヘッドなどのロックを中心に、でもアバやチャカカーンの有名曲があったりもする。一見まとまりがない選曲だけど、カバーアルバム全体としては統一感がある内容にしたつもりです。 うーん、なんだろう。自分が好きな音色とかコード感とかはあるけど、基本的には好きなように作ったらこういう結果になるわけで、なかなか言葉では言い表せませんね。自分特有のクセは絶対にあるけど「自分らしいビートを作ろう」と心掛けているわけじゃないし、ただ本当にやりたいように、自分が好きなサウンドを構築してるだけなんです。だからどんな曲をカバーしたとしても、誰にトラック提供したとしても、必ずDeckstreamらしい音楽になると思う。 基本的にはいつも通り、MPCで曲を組み上げていく感じです。ピアニストやギタリストなどの演奏家に「こういう感じで弾いてください」と伝えて、音の素材を集める。それらをMPCに取り込んで、ひたすら仕上げていくわけです。自分ではE-MU Proteusを使って、シンセサイザーを弾いたくらいですね。 もともと自分はバンドマンで「東京でロックスターになる」と言ってギター担いで上京したんだけど(笑)、今回はすべてプロに任せました。自分の演奏は……まあ、またの機会の楽しみに取っておきます(笑)。そういう計画もあるけど、まだちょっと具体的には話せませんね。 自分はDJプレミアにもっとも影響されたけど、ロックの中ではレディオヘッドのトムヨークかな。ああいう独特の世界観は誰にも真似できないと思います。やっぱり第一線で活躍しててオリジナリティがある人は格好いいし、すごいと思う。結局そういう人たちって、みんなすごいんですよね(笑)。 どうですかね(笑)。でもまあ、あの人の世界観はすでにでき上がっているから、自分の曲を聴いてもらって理解してもらった上で、話し合いながら楽曲を作りたいです。一緒にスタジオに入って、互いの世界観を壊さないようにしながら制作すれば、きっといい曲ができると思う。もちろん、想像の中の話だけど(笑)。でも今まで、楽器の演奏者とコラボして曲制作したことはないんですよ。演奏家に参加してもらったことはあるけど、ガッツリ誰かとコラボしたことはない。いつかそういうプロジェクトもやりたいですね。まだやってないことに挑戦したいと、常に思っているから。 すでにデモトラックも完成してるけど、情報解禁日が曖昧だから、まだちょっと秘密なんですよね。それを自分のオリジナルアルバムにする予定だけど、「Soundtracks」とは少し違うことをやる予定です。着々と進行中なので、楽しみにしてください。とりあえずは、この「Music Castle II」を一家に10枚でお願いします(笑)。