INTERVIEWS

JUNO REACTOR

 90年代のデビュー当時より“ゴッド オブ トランス”と称され、U.K.トランスシーンの頂点を極めたJUNO REACTOR。映画「マトリックス」シリーズのサウンドトラックを手掛けるなど、これまでさまざまなハリウッド映画の作品を手がけるなか、製作スタイルも、よりバンド思考へと変化をしていった2000年代から、彼らの音楽はもはやダンスミュージックではないとまで言われることもしばしば。ここ数年は、フルバンドのスタイルで、単独のライブツアー目的の来日が目立つなか、「SOLSTICE MUSIC FESTIVAL」 (以下SMF)といった久々のトランスフェスへの出演を受けたJUNO REACTOR。その心境の変化と真意を直撃してみた。

Interview:KOTARO MANABE
 

 

 

 
SMFでは新しいアプローチで、トランスフェスティバルの名の下において最高のパフォーマンスを発揮するよ


――まず、過去のインタビューではダンスミュージックにはあまり前向きなコメントを残していなかった時代がありましたが、今回SMFに出演することを決めたのにはどういう心境の変化があったのですか?

確かに2000年代に入ったあたりからは、よりバンドスタイルのアプローチに変化していった。映画の仕事も多数こなすなかで、出会う人々もトランスシーンに居たときとは違った刺激を得ることもあった。そして自分の興味の赴くままに音楽製作に没頭した結果が、この20年位のあいだでの出来事だった。引き続き世界各国ではトランスブームに火が点いて、毎年さまざまなフェスに出演してゆくなかで、自分のなかでのダンスミュージックに対する考え方が少しずつ変化して行ったんだ。往年のJUNOの楽曲を聴いて育ったという若手のアーティストやDJたちが、僕の楽曲をリミックスしてくれたり、彼らのセットに取り入れてくれたりするのを観て…。そしてさらにそうしたプレイで改めて“JUNO REACTORのトラックはダンスフロアをこんなにも盛り上げることができるんだ。フロアは僕らの楽曲を楽しんでくれているんだ”ということを再認識できたことが、よりダンスフロアと向き合い、意識を向けるきっかけとなった結果だよ。とくにここ数年のヨーロッパでのトランスフェスティバルでの手応えから、このスタイルであれば日本のトランスオーディエンスに満足してもらえると思えたんだ。
 

 

 

――とくに日本には1993年と、早い時期から招聘し活動を応援していた経緯があり、当時の熱狂的なファンと、ハリウッド映画などへの進出で一般的でキャッチーなフィールドに変化する最中でもあった、2000年以降のファンとでは、層がだいぶ異なってきました。しかし、どちらのファンにも媚びることなく自身の製作スタイルだけを信じ続けた結果が、ちょうど今の時代の流れのタイミングと重ったのではないでしょうか?

それはあるかもね。これまでも何年もSOLSTICEからは、オファーをもらっていたんだけど、出演できる機会がなかったんだ。でも、今回のSMFへの出演はものすごく可能性というか“この日のためにこれまでのオファーを断ってきたんだ”とも思えるくらいにバッチリなタイミングと、時代の流れの成せる技なんだと思ったね。
 

 

 

――では、今回はバンドスタイルではなく、トランス仕様のライブということになるのですか?

少なくとも、ここ10年続けてきたような、ドラム、パーカッション、ギター、ボーカルというようなステージに何人も登るようなセットではないね。SMFでは新しいアプローチで、トランスフェスティバルの名の下において最高のパフォーマンスを発揮するよ。もちろんこれまでのバンドスタイルのJUNO REACTORを封印したわけではないけれど、SMFでのステージは、完全なトランス仕様のライブになるよ。
 

 

 

――ちなみに今回はどのようなライブになるのでしょう?

基本的には、昨今のトランスアーティストのライブのような単独オペレーティングのスタイルだけれども、ボーカルだけはサンプリングではなく生の歌声で再現したいから、
前回のジャパンツアーでお披露目した新ボーカリストのTAJAを連れてくるよ!
 

 

 

――それは素晴らしい! 彼女はJUNOボーカル史上最高のシンガーだと思います。僕の周りにも、前回の来日で彼女のファンになった人を何人も知っています。新曲なども期待できるんでしょうか!?

もしかしたら世界初公開がSMFになるかもしれない、現在まさに制作中の楽曲もあるから、あまり詳しい内容は今は教えられないけど、楽しみに待っていてほしい。Undercover、Astrix、UX、Grouchなど、新旧入り混じってコラボレーションやリミックス楽曲製作に関わってもらっているから、それらの新曲や新解釈の名曲が披露できると思う。ここ数年のバンドスタイルでのライブとはまったく違うアプローチだけれど、
バンドスタイルのJUNOが好きだと言ってくれているファンにも楽しんでもらえるものにもなっていると思うよ。
 

 

 

 
次回のアルバムでも何曲かSUGIZOとも一緒に製作ができればと考えているよ
 

 

 

――これらの名前の羅列だけで、充分にトランスアプローチでのフルセットになるということが期待できますね。一方で、昨年のライブツアーでのセットはメンバー構成も含め、近年の中で最も完成度が高いと感じたのですが、今後あのメンバーでのライブを行う予定はあるのですか?

ヨーロッパのフェスなどは、ああいったバンドスタイルのセットをやり易い環境にあるし、こちらのやりたいことと、オーガナイザーが求めていることのベクトルが合致しないとあそこまでのことはなかなかできないよね。そういうことで言えばメンバーのスケジュールのタイミングということもあるけれど、皆、JUNO REACTORだけをしているわけではないので、それぞれのプロジェクトとの兼ね合いで、メンバーが揃わないと実現しない部分もある。
 

 

 

――とくにSUGIZOなどは、X JAPANやLUNA SEAがありますし…

SUGIZOには毎回フェスのオファーがあると、声をかけるんだけど、スケジュールが合わず、なかなかヨーロッパでのギグを一緒に回れないんだよね。以前OZORAのフェスに絡めてのヨーロッパツアーの時に来てくれて以来、SUGIZOとは、近年は日本でしか演れてないんだよね。最近はBudgie(ドラマー)も、別のバンドが忙しくなってしまってね…。僕自身もこのメンバーでのライブは近年最強の完成度だと感じてるよ。ただ、以前と同じメンバーでできるかどうかはわからないし、いつ! と約束はできないけれど、バンドスタイルのライブは辞めたわけではないよ。
 

 

 

――メンバーに入れ替わりがあるなか、今年9年目の最長在籍年数のSUGIZO加入のJUNOを体験できている日本のオーディエンスは、ほかでは聴けないプレミアムライブセットを毎回観れていたということですよね!?

まだ漠然とだけれども、次回のアルバムでも何曲かSUGIZOとも一緒に製作ができればと考えているよ。彼はミュージシャンとしてだけでなく、人間的にも素晴らしく、とてもリスペクトしている。先日彼がシリア難民キャンプを訪れたことを知った時も感銘を受けたし、そんな人が自分のバンド仲間にいるということを誇りに思えた。
 

 

 

――熊本地震の被災地の瓦礫撤去のボランティアにも参加していましたよ。「作業着、ゴーグル、防塵マスク」といういでたちで、ボランティア作業員に徹しているんですよ。

傷ついた地を訪れ、現地での人と触れ合うことでしか得られないエネルギーを感じ、自分のものとして消化する。SUGIZOの奏でる音楽に癒しの要素を感じられるのは、そうした向き合い方が、彼の音楽性にも影響を与えているからだと思うよ。
 

 

 

――これまで訪れた地や体験を曲に反映することが少なくないですよね!? また、毎回ツアーの最中にムービーを撮っていますよね!? 昨年も大阪から名古屋のツアー移動の途中に京都を訪れた際もずっとムービーを撮っていましたが、あの時の滞在時には作曲やビデオクリップのアイディアは湧いてこなかったのですか?

京都観光は、半日だけではとても足りなかったね。限られた時間のなか、KOTAROが厳選してくれたスポットは本当に的を射ていて、とくに伏見稲荷はずっとココに居たい、まだ帰りたくない! と後ろ髪を引かれながら次の場所に移動したのを覚えているよ。前回の日本滞在でのインスピレーションの成果ということでは、金沢でのライブの後に立ち寄った「回転寿司屋」かな!?
 

 

 

――あのビデオクリップは大傑作です。ウェブでニュースとして取り上げられて話題になってましたよね!

PVに使おうと思って撮ったわけではないんだけどね。回転寿司の皿の上にGo Pro乗せて回してみたらどんな映像が撮れるかな!?と思って、冗談半分でやってみたらものすごく興味深いものが撮れていたんだ。
 

 

 

 

写真はOZORAに出演時のJUNO REACTOR

――厨房の店員に一度奪われる辺りとか、もうドキドキハラハラしながら、観たのを思い出しました。ある意味ドキュメンタリーフィルムですよ。今夏はSMF出演のほか、どのようなスケジュールなのですか?

ここ数年のなかで日本はもちろんだけれど、ハンガリーのOZORA フェスティバルは、僕らにとってとくにスペシャルで意味のあるポジションなんだよね。これまでもずっと呼んでくれていて、歳を重ねるごとに、規模が大きくなってきているんだ。オーガナイザーが、僕らのやりたいことをすごく理解してくれて、今年はロシアのダンスパフォーマーたちとのコラボレーションになるんだ。ダンサーだけで9名いるからJUNOのメンバーと合わせると、今年最大級のステージになると思う。日本からの参加者も毎年増えているようだし、SMFのあと、僕らを追いかけてハンガリーに来てみるのも良いんじゃないかな? ほかにはギリシャの「FSI Festival」、オランダの「Psy-fi Festival」、珍しいところではレバノンで開催される「Desert Festival」などに出演する予定だよ。
 

 

 

――最後にclubberia読者と、SMFを楽しみにしているファンのみんなにメッセージをお願いします。

90年代から永きにわたって応援とサポートをしてくれている日本のファンには本当に感謝しているよ。皆さんは、JUNO REACTORの紡ぐアートをつねに暖かく見守り育ててくれた、母親のような存在だと常に思ってる。SUGIZO、森本晃司、GOCOO、レナード衛藤といった、ファミリーのように感じることができる、素晴らしいアーティストたちが住む母国でもあり、日本はJUNO REACTORにとって、本当に特別な場所であり、皆がいつでも最高で居られることを願い。フォースと共にあれ。
 

 

 

 
- Event Information -


開催日: 7月16日(土)
場所: 県立幕張海浜公園
時間:11時~20時30分
料金:一般前売チケット 10,800円 (購入はコチラ https://ticketpay.jp/booking/?event_id=3813

出演者:Juno Reactor, System 7, ZEN MECHANICS, DJ Lucas, KOXBOX, Dachambo, Mixmaster Morris, ARTMAN aka DJ K.U.D.O. , TA-KA

■イベントページ
http://www.clubberia.com/ja/events/251898-SMF-2016/

■SMF 2016
http://solstice23.com/


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