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Ableton認定トレーナーの視点から見たLive 10

ベルリンに本拠地を置く音楽制作ソフトウェアメーカーのAbletonから、実に約5年ぶりのバージョンアップとなるLive 10が発表されました。発売は2018年第一四半期を予定しており、現在は開発途中のパブリックベータ版をテスト中です。パーティーでかかっている曲やライブパフォーマンスの多くにこのLiveが使用されているので、新バージョンが気になる方も多いでしょう。
 
筆者はAbleton認定トレーナーとしてベータテストに参加していたので、その内容を紹介していきたいと思います。なお、文中でテストしているのはベータ版につき、正式版では機能や名称が変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。



操作性を向上してワークフローを改善

Live 10の特徴としてあげられるのがワークフローの改善です。音楽制作を取り巻く環境や入力デバイスが次々に変わっていく昨今、Live 10の操作性やワークフローも、ブラウザがタグに対応するなど、イマドキっぽく変化しています。特にこの変化は長らく大きな変化がなかったアレンジメントビューに顕著です。要望が多かった複数のMIDIクリップを一度に表示・編集が可能になり、個人的にも不満があったオートメーション周りが改善されました。


また、打ち込みに役立つ強力な新機能=Captureもあります。これはレコーディングしていない時に弾いたMIDIデータをキャプチャーしておく機能で、「いいフレーズ弾いてたんだけど、いざ録音しようとしたら上手くいかない…」なんて時にCaptureに使うと、先ほどまで弾いていたフレーズがMIDIクリップになるナイスな機能です。





エフェクト・音源類の充実

Live 10では内蔵エフェクトや音源が追加されています。特に発振可能でダブ処理に向いているディレイのEchoや、ドラム音源をまとめる時に役立つDrum Bussなど、痒い所に手が届くデバイスが追加されています。また、Live 10ではPack(Live専用の音源・エフェクト)の形でジャンルごとの即戦力になるようなサウンドが多数収録されています。率直に言うと、Live 9までの内蔵サンプルやプリセットは使い道がわからないものが多かったのですからね…笑



この他のバージョンアップではMaxとLive 10が完全統合され、Max for Liveがサラウンドなどマルチチャンネルオーディオに対応したり、ネックだったCPUの負荷も低くなりました。また、PushもLiveとの統合が進み、特にPush 2ではスペクトラムアナライザーやEQなどグラフィカルに表示されるようになっています。



さて、ここまで駆け足にLive 10を紹介してきました。AbletonはLive 9の時にもLinkやSimplerなど次々と進化していきました。この流れは続きそうで、Live 10も来年から今後数年間かけて進化するための土台が完成したという印象です。
 
そんなLive 10ですが、ただいま日本正規輸入代理店のハイ・リゾリューションでは無償アップグレードできるLive 9が20%オフで販売されています。また、既存ユーザーでも、ableton.comでは最上位のLive 10 Suiteに20%オフでアップグレードできるスペシャルオファーも提供されています。
また、僕がオーガナイズしているAbleton Meetup Tokyoでも、Live 10を特集したイベントを行う予定です。12/15開催のAbleton Meetup Tokyo Vol.16でもAbleton認定トレーナーのYoshinori Saitoを招いて、いち早くLive 10の新機能を紹介します。
 

Ableton Live
https://www.ableton.com/ja/live/

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