80年代後期から90年代にかけ、Derrick May、Tony Humphries、Junior Sanchez、DJ Sneak、Roger S、Armand Van Helden、Timmy Regisfordなどから熱烈な支持を集めたトライバルハウスのアーティストBrothers' VibeことTony Rodriguezが、現在のダンスシーンに返り咲いている。ここ数年のMixx Recordsと、新世代ハウスミュージックの寵児Sascha DiveによるDeep Vibesからのバイナルリリースがシーン復帰への引き金となっており、そのトラックはLuciano、Ricardo Villalobosなどにヘビープレイされている。アフロ・ラテンのトライバルに深くルーツを置きながら、洗練されたミニマルハウス、それにジャジーなバイブスを注入することに成功している彼のトラックは、シーンの先端であるミニマルミュージックを通過したハウスグルーヴにフィットしたようだ。
「音楽は僕自身であり、僕の魂と情熱でもある。音楽が僕である。音楽なしでは、僕は何者でもない。音を評価できる才能を授けてくれた神様に感謝している」
Brothers' Vibe a.k.a. Tony Rodriguezはニュージャージーで生まれた。幼少期から毎日のように彼の父親の膨大なレコードコレクションに囲まれ、音楽に対しての愛は年を重ねるにつれ増していった。そして自身もレコードを集めるようになり、10歳の時にはすでにパーティーでDJをするようになる。
彼の活動は時と共に変化を遂げていった。彼はパーティーでのDJを掛け持ち、いくつかのレコードショップでバイヤーをし、そしてそれを自らの手で売り、それをスピンをした。Billboard誌のレポーターやレコードプール副理事長を務めつつ、The NY Palladium、Studio 54、Club 1018、The Tunnel、The Limelight、Club 4Dなどの伝説的クラブはもちろん、小さなクラブなどでも精力的に活動を続けた。
「僕はLarry Levan、Shep Pettibone、Larry Patterson、Tony Humphries、Hippie Torales、Jellybean Benitez、Teee Scott、Timmy Regisford、Bruce Forrest、Fonda Rae、France Joli、George Kranz、Jocelyn Brownなど、すべての名前は出しきれないほど多くの才能ある人たちと出会い、一緒に仕事をしたことを名誉だと思っている」
80年代半ば、彼は時には週5日プレイするほどハードなスケジュールを抱えながら、作曲をすることに強い願望を抱き始めており、その願望はニュージャージーのBasement RecordsのCraig BevanとBarry Zegerとの出会いから現実のものとなった。
「一緒にいろんなクールなものを作った。Turntable Terror Tracks、Jose Chinga、Joey Kidd、Cut to Shockとか本当にクールなトラックをね」
現在、シーンからの再評価によりBrothers' VibeことTony Rodriguezは、自身のレーベル「Brothers' Vibe Productions」でのスタジオワークと、世界中を飛び回りDJをするという多忙な日々を送っている。
「今はスタジオで出来るだけ時間を費やしたいと思っているよ。僕がやりたい音楽はまだまだたくさんあるんだ」
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