同資料は全7章の構成となっており、今回第1、2章の日本語版が公表され、全章の公開は4月頃を予定している。
第1章「屋外空間のナイトライフとCOVID-19」では、COVID-19の感染拡⼤のあと、世界各国で感染リスクを抑えやすい屋外空間の活⽤が進んだ状況下においての課題にフォーカス。「空間の管理」と「⾳の管理」という2つのテーマで、屋外活⽤における各国の事例や騒⾳、⾳の管理における課題、解決に向けた取組を紹介している。
第2章「ダンスフロアの未来」では、COVID19発⽣後の各都市の「ベニュー」の厳しい現状と課題を⽰すとともに、営業再開に向けた各都市での種々の取り組み、そしてライブ・ストリーミング、クラウドファウンディングなどによるビジネスの多⾓化の事例について紹介。ロンドンの複合イベントスペース「Village Underground」で、ロックダウン下にスペースの⼀部にサイクルパークを⽴ち上げた取組や、イタリアのトリノのヴァーチャルクラブ「algo:ritmi」による事例を紹介するとともに、危機的状況が現在進⾏形でありながらも、その中における機会の創出や、柔軟なマネジメントの重要性について提⾔している。
本レポートに関する⼀般社団法⼈ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事 齋藤貴弘氏のコメントは以下より
直⾯している課題を抽出してアジェンダ化し、ステークホルダーをネットワークで繋ぎ、速やかに解決に向けた⾏動に移す。アムステルダム元ナイトメイヤーのミリク・ミランとベルリン・クラブコミッションのルッツ・ライシェリングをコアメンバーとする“VibeLab”は、COVID-19前からそのような⼀連のアクションを続けてきました。私たちは、昨年、VibeLabの協⼒を得て実施したナイトカルチャーリサーチ“Crea0ve Footprint Tokyo”において、彼らの不断の⾏動とポジティブな思考から多くのことを学びました。COVID-19の下においても、VibeLabのスタンスは揺らぐことはなく、むしろ活動はより強固で積極的なものとなり、COVID-19前からナイトライフが抱えていた課題について、COVID-19を契機として前向きに変えようとすらしています。COVID-19による被害状況は⽇本と欧⽶では⼤きく異なりますが、欧⽶の取り組みは⽇本に多くの⽰唆を与えてくれるはずです。