2022年7月から8月にかけてリリースされた日本人アーティストによるリリースを5タイトルピックアップ。テクノからエクスペリメンタル、そしてアンビエントまで、多彩なエレクトロニック・ミュージックをご紹介。
from A to Z⬇︎
eRee『Amortentia』
都内を拠点に、さまざまなパーティで活躍するDJ/プロデューサーeReeが新レーベル「Neophocaena Record」を始動し、1stアルバムとして、自身が制作した『Amortentia』をリリースした。「無機質な空間を創りだす音楽実験」をコンセプトに活動を続けてきた彼女らしく、冷たい電子音をベースにしつつも何処か穏やかな側面を感じさせるエクスペリメンタル/アブストラクト/テクノトラックが1つのコンセプトの下に収められている。
DJ SODEYAMA 『Spiral』
ハウスとテクノの二大ジャンルで大きな信頼を得ている日本を代表するプロデューサー、DJ SODEYAMAが、韓国・ソウル拠点のディープテクノレーベル<Artscope>から、新EP『Spiral』をリリース。時間感覚を失ってしまうような催眠的な電子音が、ダンサーを惑わす上質なディープテクノトラックが収録。韓国を代表するディープテクノアーティストScøpeと、近頃大きな活躍を見せる才女PolygoniaによるRemix workも必聴だ。
Hoshina Anniversary『Hisyochi 避暑地』
世界中のコアなDJ達から熱い支持を受けるDJ/プロデューサー、Hoshina AnniversaryがNY拠点のレーベル<Patience>から新作を発表。『避暑地』と名付けられた本作は、何処かノスタルジックな雰囲気の漂うエレクトロ作品だ。絶妙なシンセサイザーサウンドの変化が耳心地良く、穏やかなアンビエント作品も収められた本アルバムは、この2ヶ月を代表する1作だろう。
Ind_fris - Portfolio
現在は愛知県岡崎市で活動を続けるind_frisが、2017年~2021年にかけて発表してきた『Portfolio』シリーズの編集版を、2枚組のセカンドアルバムとしてリリース。一言で形容し難いような、無数の音楽ジャンルからの影響を感じさせる同アルバムだが、制作された曲は時系列順に収められており、同氏の変遷を感じられる作品集にもなっている。バレアリックな雰囲気を持ちつつも、時に穏やかに、時に激しく感情を揺さぶる楽曲郡は、聴くたびに違った側面が見えてくるような奥深い音楽体験を提供することを約束する。
TOMOTSUGU NAKAMURA『NOTHING LEFT BEHIND』
東京を拠点とするアンビエント作家TOMOTSUGU NAKAMURAが、フランスの名門アンビエントレーベル<Lapps>から2枚目となるアルバムを発表。ミニマルなアコースティックな音響と電子音の断片、そしてフィールドレコーディングで構成されているというこの極上のアンビエントアルバムは、実験的でありながらも、夏の短夜に流すのに最適な1枚だ。
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