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エレクトロニック・ミュージックの先駆者、Manuel Göttschingが死去

 クラウト・ロック/ドイツ実験音楽シーンを代表するバンド、ASH RA TEMPELの創設者であり、エレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えた傑作「E2-E4」を制作したドイツの伝説的ミュージシャン、Manuel Göttschingが享年70歳で亡くなったことが明らかになった。

 Manuel Göttschingのウェブサイトを通じて共有された声明によると、彼は先週の日曜日(12月4日)に、家族に囲まれながら安らかに息を引き取ったそうだ。「彼が残した空白を、私たちは彼の音楽と愛のある思い出で埋めたいと思います」と声明にはつづられている。

 1952年にベルリンで生まれたManuel Göttschingは、1960年代後半から70年代初頭にかけて、西ベルリンのアンダーグラウンド音楽シーンの重要人物となり、クラウト・ロックの代表的なバンドASH RA TEMPELの中心メンバー、創設者として活躍。1975年に「Ash Ra Tempel VI: Inventions For Electric Guitar」でソロデビューを果たし、1984年にテクノ・ハウスの始祖として多くのアーティストに影響を与えた「E2-E4」をリリース。リリース当初はあまり注目されなかったが、ニューヨークの伝説的なクラブParadise GarageのレジデントDJ、
Larry LevanのDJセットに組み込まれるようになり、1989年にイタリアのユニットSueno Latinoによるディスコ・アレンジがヒット。次第にテクノ/ハウス・シーンで大きな注目を集め、この曲の影響を受けたリミックス、カバー、トラックが数多く発表されている。

 「E2-E4」リリース後も音楽制作を続け、2000年にはKlaus Schulzeと共にAsh Ra Tempel再結成アルバム「Friendship」をリリース。その後の数十年間にわずかながら作品を発表している。近年は、ソロ名義の作品とAsh Ra Tempelのほぼ全てのアルバムのリイシューを監修し、世界各地でライブを行っていた。