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大手音楽レーベル、AI音楽生成サービス「Suno」と「Udio」を著作権侵害で提訴

 全米レコード協会(RIAA)が、AI音楽生成サービス「Suno」と「Udio」を著作権侵害で提訴した。ソニー・ミュージック、ワーナー・レコード、ユニバーサルミュージックなどの大手音楽会社が原告となっており、両社が著作権楽曲を無断でAI学習に使用したと主張している。

 RIAAは、「Suno」と「Udio」が提供するテキスト入力による楽曲生成サービスが、著作権で保護されている楽曲を大量にコピーしてAIモデルに取り込み、機械生成されたコンテンツで市場を飽和させ、本物の音源と競合して創作者の権利を侵害したと指摘。侵害対象の作品1つにつき15万ドルの賠償を求めている。

 「Suno」は2022年に製品を発表し、Microsoftと提携。5月には1億2500万ドルの資金を調達し、「音楽AI企業への史上最大の投資」と評された。「Udio」は2023年4月にローンチし、有名プロデューサーの作品に使用されて話題を呼んだ。

 両社とも訓練データの出所を公開しておらず、著作権音楽の無断使用が疑われている。「Suno」のCEOは、ソフトウェアが完全に新しい出力を生成するよう設計されていると主張し、特定アーティストの参照を許可していないと述べている。

 この問題は音楽業界全体で大きな議論を巻き起こしており、今年4月には、ビリー・アイリッシュやスティーヴィー・ワンダーを含む200名以上の著名アーティストが、人間のアーティストの音楽や歌声を学習し、アーティストの価値を下げる「略奪的AI」に反対する公開書簡に署名した。また、ソニーミュージックグループは、関連会社が所有するコンテンツをAI学習目的で使用することを禁じる声明を発表している。