パナソニックが、同社の「Technics」ブランドおよびターンテーブル生産を、今後も継続するという公式声明を発表した。
今回の声明が出されることになったことの発端は、先月DMC Worldサイト上に掲載された、「パナソニックが、2010年2月末までにTechnics SL-1200とSL-1210、2つのターンテーブルの生産を中止する」といった内容の記事で、このニュースはインターネットを通じて全世界に広がり、ダンスミュージック史上最悪の悲報として伝わっていた。
またパナソニックのオーストラリア支社広報Ian Northが、11月27日付けで「In The Mix」というサイトに出した以下の声明「今日はみなさんに悲しい報告をしなくてはいけません。私たちパナソニック/Technicsは、アナログ市場の低迷により、今後ターンテーブルの生産およびTechnicsブランドの継続を中止することになりました。私たちオーストラリア市場は、Technicsテーンテーブルの入荷を来年2010年3月に最後とします」により、さらに多くの人々の驚きと悲しみに拍車をかけるものとなった。
しかしこの3日後に、Ian NorthはCnetサイト上でこの意見を「早まったものであった」とコメント。「アナログ市場の低迷は確実なものではあるが、私たちの商品を必要としているディーラー、そして事業を継続する資金はある」と付け加えた。
これを受けて、DMC Worldサイト上に掲載された悲報は、こう書き替えられた。「Technicsターンテーブルについての最新のニュースは、パナソニックのオーストラリア支社が、パナソニック日本本社から、ターンテーブル生産中止及びTechnicsブランド継続中止の決定をただの1度も受け取っていなかったということが判明している。DMC Worldサイトでは、この件に関して、現在パナソニックから明確な返答を得るには至っておらず、追って詳細をお伝えしたい」。
このような不明瞭な情報が錯綜したことにより、Inverted Audio blogなどでは、クリスマス前にセールスを伸ばすための、パナソニックによる狡猾な企業戦略だったのかもしれないといった憶測まで飛び交った。
しかし、今回発表されたパナソニックからの公式声明により、このTechnicsターンテーブル生産中止にまつわるすべての報道は誤りだったことが明らかになった。
パナソニックによる公式声明は以下のとおり。
「私たちパナソニックは、世界的な企業として、すべての業務を一定のレビューで保ち続けています。そして現在、そのレビューの中にTechnicsブランドとTechnicsターンテーブルの生産を中止するような計画はありません」
■パナソニック/Technics
http://panasonic.jp/technics
■DMC World
http://www.dmcworld.com