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スウェーデン生まれの世界最小ワイヤレスイヤホン「EARIN」がすごい!

 
 近年、家電量販店にはさまざまなワイヤレス製品が数多く並んでいる。給電をワイヤレスでおこなう“ワイヤレス給電”の普及までもが進んでいる時代だ。そんななか、スウェーデンで誕生した世界最小のワイヤレスイヤホン「EARIN」が話題になっているのをご存知だろうか?
 「EARIN」は2015年12月の発売以降、世界中で大きな反響を呼び、ここ日本でも、昨年12月19日にベルサール秋葉原で開催されたポータブルオーディオフェスティバル「ポタフェス 2015 Winter」(約52,000人が来場)でデビュー。“超軽量・超小型タイプのワイヤレスイヤフォン”というキャッチコピーで、会場に訪れた多くの来場者の興味を引き、2,800部のカタログが捌ける異例の人気ぶりだったという。また、「価格.com」のヘッドホン・イヤホン4,714製品のなかで売れ筋ランキング第2位(2016年2月26日〜3月3日集計)、全国家電量販店・専門店で約15万部配布されている『PREMIUM HEADPHONE GUIDE Winter Vol.15』(音元出版社)の「本誌掲載アイテムのなかで、興味のわいた製品はどれですか?」のアンケート集計データでも全278モデル中、第2位を獲得するなど注目度は絶大だ。今年から本格的に日本上陸を果たすこの「EARIN」のプレスイベントが、3月9日(水)に代官山のON THE HILL(東京都渋谷区)で行われた。

 「EARIN」にいち早く着目し、日本での取り扱いをスタートさせたモダニティ株式会社の代表取締役・レジィス・ヴェラン氏の挨拶が終わると、開発者のひとり、Per Sennstrom氏によるプレゼンテーションがスタート。当日の彼の言葉を抜粋しながら、本製品をご紹介していこう。
 
 元ソニー・エリクソン、ノキアのメンバー3人(Kiril Trajkovski, Olle Linden, Per Sennstrom)によって誕生した「EARIN」。開発のきっかけは一体なんだったのだろうか?
「実にシンプルな発想で生まれた企画だったんだ。単純に、ケーブルのない小さいイヤホンを作りたくて、3人でお茶を飲みながら話し合った。異なる技術をどのように組み合わせれば実現可能かを考えながらね」
 
 “通常のイヤホンからケーブルをなくしたい”というシンプルなコンセプトのもと、ついに2013年春から開発がスタート。しかし、その開発は容易ではなく、とくにアンテナ設計には苦戦したようだ。
「イヤホンはアンテナ(ラジオなどを聴くため)の感度が重要で、ケーブルがアンテナの役割を担っている。しかし、ワイヤレスの場合、イヤホン本体にアンテナを入れる工夫をしなければならなかった。またBluetoothでもっとも重要なペアリング方法も、左イヤホン経由で右イヤホンに飛ばすという技術を施した。いわゆる、ひとつのイヤホンだけを使ってふたつのイヤホンがペアリングできるようにしたんだ。これは新しい技術だったから、工場でもすごく苦労したみたいだよ」

 このような新しい技術が必要だった製品開発には、時間や労力はもちろん、莫大な費用がかかることを、彼らは過去の経験から知っていた。そこで、2014年5月にクラウドファンディングで出資を募ることを決めたのだ。
「もともと僕らはソニー・エリクソン、ノキアで開発をメインに行っていたから、どれだけの時間とお金がかかるのかはある程度分かっていた。だからこそ、従来のお金の集め方では難しいと思い、『KICKSTARTER』で出資を募ることにしたんだ。クラウドファンディングでは、商品をきちんと説明して多くの人に認めてもらえば、PRにもつながる。企画にも大きな自信があったから、うまくいけば大成功すると思っていた。でも、こんなに成功するとは想像していなかったよ」
 クラウドファンディングは大成功し、なんと150万ドル(目標の5倍以上)の投資を得ることになった。これは当時のプロジェクトとしては世界で40番目、欧州では5番目、北欧では1番目という金額。その後も細かな試験や改良を繰り返し、ついに誕生したのが重量3.5g、直径14.5mm、長さ20mmの世界最小のワイヤレスイヤホン「EARIN」なのだ。  
 単にケーブルを外しただけではなく、小型化・軽量化、そして想像可能な限りもっともも没入的な(音の世界に入り込める)音質であることを“ワイヤレスとしての定義”とした彼らは、自分たちが音楽好きでハイファイ・ファンだからこそ、音質にも徹底的にこだわった。イヤピースそれぞれにアンプと、高い解像度が魅力のバランスドアーマチュアのドライバー(Knowles社)を搭載したことで、伸びのある高音と中音、タイトな低音サウンドを実現。従来のイヤホンよりも音質が劣ると囁かれるワイヤレスイヤホンの短所もクリアし、彼らが納得する上質なサウンドを手に入れた。
 また、ポケットサイズの充電カプセルも秀逸で、イヤホンを収納するだけで充電できる合理的な機能とミニマルなデザインがひときわ目を引く。さらに、製品が収納されている外箱まで美しい。この洗練された北欧らしいプロダクト・デザインも「EARIN」の魅力と言えるだろう。なぜなら、世界で最も権威のあるデザイン賞のひとつ「IF Design Award 2016」で、“Product Design賞”を受賞したのだから。
 
 数あるワイヤレスイヤホンのなかでも、現時点でもっとも注目すべき製品と言える「EARIN」。ケーブルにイライラしていた人、イケてるデザインのイヤホンを探していた人。これから新しいイヤホンを探すのであれば、「EARIN」を候補に加えてみるのもいいかもしれない。

■EARIN 製品詳細

http://www.modernity.jp/brand/earin/earin/



- Product Information -
製品名:EARIN
カラー:ブラック(イヤホン)、シルバー(充電・収納カプセル)
メーカー小売希望価格:29,800円(税別)
発売日:2015年12月下旬

■付属アクセサリー
・スタビライザー(ジョギングやジムでのトレーニング用に)
・COMPLY社製フォームチップ2ペア(音質も良く、耳の中で優しくフィット)
・充電用ケーブル(150mmのUSBケーブル)

■スペック
ドライバー:
Knowles社のバランスドアーマチュア搭載
サイズ:6.5mm
周波数特性:20-20KKz
感度:105dB SPL+2dB
インピーダンス:25Ω

イヤーピース:
サイズ:14.5×20mm
重量:3.5g
再生時間:2.5〜3時間
バッテリー容量:60mAh(リチウムイオン)
カプセル充電時間:約60min
Bluetooth 3.0&4.0準拠

カプセル:
サイズ:20×95mm
重量:25g
バッテリー容量:600mAh(リチウムイオン)
カプセル充電時間:約60min
フル充電でイヤピース×3回充電
標準マイクロUSB端子

■EARIN専用アプリ
オーディオ設定などを自分好みにカスタマイズできる専用アプリ(無料)。
・Audio設定:低音ブースト機能
・バッテリー残量表記:L/Rのイヤピースのバッテリー残量がメーター式で表示。消費電力を自動管理。
・モノラル再生:L、Rのイヤピースをモノラルで交互に使用することで(未使用の片側を充電しながら)、最大10時間以上の使用が可能。
・アプリはiOS、Android対応。Windowsは準備中。

●App Store
https://goo.gl/2F3cUJ

●Google play
https://goo.gl/AF24Ui
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