clubberiaを御覧の皆様
ちょっと遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
ちなみに、2020年のことはコチラで振り返っています。
さて皆様は、Maxって知ってますか?
安室奈美恵さんがいたSUPER MONKEY'Sのグループ内ユニットで、沖縄アクターズスクール出身の~
とかじゃないですよ!?(って、もはや、これはオヤジ昭和ネタ?!)
ここで言うMaxっていうのは、音楽、ビジュアル、グラフィックス、コンピューティングのプログラミング環境、メディアアート、インタラクティブアート、作曲、ネットワークの分野で広く利用されていて~(って、のっけから、ややこしくなりそう?!)
Max/MSPっていうのが縮まって、Maxって、今はみんな呼んでるもの(だからググるときは、maxmspでググると、これ関係は色々出てくるよ)
Max for Liveて、Abletonに入ってるから、それでなんとなく知ってるって人もいるかな?(おれもそのタイプ)
ちょーわかりやすく言うと、いろいろできるプログラミングっぽいもの(いきなり噛み砕きすぎw)
エフェクターとかも自分で作れるし、PerfumeとかやってるRhizomatiks(ライゾマティクス)さんとか、これでバリバリ色々やってる。
プログラミングっていってもこんな感じでコードを書いていくのではなくて(コード書いて色々やったりもできるんだけど)
(C) Google
オブジェクトって箱みたいなのを繋いでいって組み立てる、レゴ感覚でできるんだけど(C) Google
(C) Google
っていうか、レゴってすげー色々できるなぁw
まぁそんな感じのもの
昔はMaxの日本語の情報はあまりなかったみたいなんだけど、最近は増えてきたし、Max for Liveの登場で、またちょっとポピュラーになってきています。
AMCJ (Ableton and Max Community Japan)って、ユーザーコミュニティーもできたり、YouTubeにも色々動画がアップされてきたり
あっAMCJ (Ableton and Max Community Japan)には、CD HATAも遊びに行ったことあります!
このコラムの第4回目と第5回目で、とりあげているPICnome(ピクノーム)を作っている山本俊一さんもバリバリのMax使いだし、AMCJ (Ableton and Max Community Japan)を運営している一人 岡安啓幸さんは、その山本製作所にいたり
まぁそんな感じのMaxというか、Max for Live (Ableton Liveのプラグインとして機能するmax)にまつわる話をしていきます。
Ableton Liveが他のDAWよりもいいなって思う点の1つが、Max for Liveを使えること
なんてったって、ソフトシンセやエフェクターを自分で作れちゃうし、イチから自分で作らなくても、他の人が作ったツールをカスタマイズするのでもいいし、Ableton Liveを使っている人だと、知らず知らずのうちに使っていたのが、Max for Liveのデバイスだったってこともあるかもしれません。
CD HATA的に、Max for Liveに入っていく、はじめの一歩はこれとこれだった!
でもって去年参加した、逗子アートフェスティバルでの「MIRRORBOWLER×invisi feat CD HATA」
この時は、音楽にあわせて光の制御っていうのをMax for Liveを使ってやったんです。
そして、このコラム第69回目でも紹介しているインビジと、その兄弟会社cotonに所属しているメンバーの部活動!?(青春っぽいなぁw)『tonic vision.』という人達がいるのですが、M4Lのデバイスを作っているんです。
tonic vision.の第一弾「MultiScratcher」に関しては、レビューの動画にCD HATAも出ていますので、それを見てみて下さい。
そして、第二弾としてリリースされたのは「CrazyDistortion」
Distortionというのは歪みのエフェクター
曰く、同じ歪みのエフェクターでもOverDriveはナチュラルな歪みで、Distortionはもっと過激に歪むもの、さらに今回はCrazyがその前に付いてるんで、相当な歪みが期待されます(笑)
そもそも歪む(ひずむ)って何だろう?
入力オーバーで音が割れてガビガビ言うのも歪みの一種
ロックなエレキギターは歪んでいるのが標準なくらいです。
ヘビーメタルのギターの音なんかは歪みまくってますね。
歪んだギターの音をたどっていくと、やはりジミ・ヘンドリックスにいくのでしょうか。
日本ではジミヘンって呼ばれていますが、James Marshall Hendrix(ジミヘンが幼き頃、終戦後くらい?に改名して、この名前になったらしい)という名前
なんで、そんな名前の紹介をしたかというと、歪んだギターアンプの代表格といえば、やっぱりMarshall(マーシャル)
1つのアンプヘッドに2つのスピーカーキャビネットを繋いだ3段積みのMarshallの壁は、ギターキッズの憧れ!
3段積みをはじめたのは、The Whoのギタリスト、ピート・タウンゼントで、Marshallの社長さんに「でっかいの作ってくれ!」って言って作ってもらったそうだんですが、俺的には、ピート・タウンゼントはHIWATT(ハイワット)ってギターアンプのイメージがあって、HIWATTはアンプ自体ではあんまり歪まないタイプなんだけど、歪みのエフェクターを通して鳴らすと綺麗に歪んだ音がするんだよね。
キャビネットの作りがガッシリしてるからかな。
って、そんな場末のロックバーで、クダを巻いているロック親父みたな話は、そこらへんにしておきつつ、まぁ昔のギターアンプは真空管で歪ませていたわけでして、よく真空管やテープの歪み、またレコードとかの、要はアナログの歪みとデジタルの歪みは違うと言われたりするわけです。
その原因は倍音成分の中で、音楽的な高次倍音の~
って、話になっていくとまたマニアックな方向に...
サチュレーション方向の歪みの話はまた次回にしよう。
なぜなら、そっち方面の話をしだすと、ホントまた話が長くなるから(笑)
あっでも前にもこのコラム第37回目の時にwatusiさんが、その歪みのことにも触れてたよな~
ちょっと待った、今回はもっと過激な歪みのことにフォーカスさせて!
そういえば、The Chemical Brothersの初期の作品もMarshallのギターアンプで歪ませた音で作っていったって話も聞いたことあります。
と、そんな歪みのエフェクターであるデバイス「CrazyDistortion」はコチラ
このデバイスは単なるディストーションエフェクターだけでなく、ノイズジェネレーターにもなるところが、また面白い!!
そして第三弾としてリリースされた「Perspective Stereo Panner」
これは、PAN(パン)という左右の定位をコントロールするエフェクターです。
DAWにはPANの機能がついていますが、もっと音を立体的に動かすことができます。
ワタクシ達は、左右の2つのスピーカーで(いわゆるステレオ)で音楽を聴くことが多いと思います。
このコラム第66回目でも、ちょこっと書いていますが、それって戦場での敵機特定技術からきてるらしいんです。
その左右の場所を決定づけるPANをあやつることができるデバイス
3種類あるオートパンニングでグニャグニャさせるのはオススメです!!
というわけで、tonic vision. のメンバーに開発エピソードを聞いてみました。
CD HATA : この3つのデバイスはどんな感じで作っていったんですか?
tonic vision. 長嶋 : 第一弾「MultiScratcher」は、僕が、もともと作ってみたかったという構想から、第一弾としてチームで分担して作るのにも丁度良さそうだったのでやってみました。
第一弾なのでシンプルなものにしようという話だったのに、テープストップが付いたり、プリセット保存機能も欲しいんじゃないかってなったりで、どんどん多機能になって…まあまあ時間がかかってしまって(笑)」
CD HATA : 最初だし、あれも入れたいこれも入れたいになっちゃうのアルアルだよね(笑)、でも使いやすくまとまってるし、テープストップもいい感じ!!
tonic vision. 宮本 : 第二弾の「CrazyDistortion」と、第三弾の「Perspective Stereo Panner」は、僕が以前Maxのパッチとして作っていたものをMax for Liveに移植しました。
第一弾「MultiScratcher」が、かなり多機能で結構使いどころのあるデバイスになったので、それの反作用みたいに、強烈に不器用でトリッキーなエフェクトも出したいなぁと思い、やばいUIのものを作りました。
CD HATA : 確かにサイケなUIのデザインも素敵です!!
tonic vision. 宮本 : 第三弾の「Perspective Stereo Panner」は、それまでに出した2つのデバイスと機能面で競合しないものは何か考えた結果、オートパン的なものがいいのではないかと思い作りました。
3つの異なるパンニングアルゴリズムを一つにまとめ、既存の製品は正確性を重視したものが多いので、正確性ではなく表現のツールとして使えるようなものがほしいなぁと思い作ったんですよ。
また、パンニングというのは「どこから聞こえるか」よりも「その音がどう動いているか」ということのほうが大事なような気がしたので、動き方のアルゴリズムをいくつか作りました。
CD HATA : 俺もグワァングワァン回っていく音像にノックダウンされました(笑)
そして、近々、また新しいものをリリースする予定もあり!!
これもまた楽しみですね!!
紹介したデバイスはコチラで購入することもできますし、maxforlive.comという、ユーザーがMax for Liveデバイスを投稿できるオンライン・ライブラリがありまして、その中のココでも購入できます。
このmaxforlive.comは、もう10年くらいやっていて、約4,000種類のツールがあるみたいです。
中には無料のデバイスもあって、こんなおすすめもありますよ。
さて、そんなMax for Liveのオンラインワークショップを今度やります!!
CD HATAもご意見番として運営に参加しているAbleton Meetup Tokyoと、これからのリベラルな音楽のためのアカデミー=ALMFがタッグを組んで、Max for Live初心者に向けたオンラインワークショップを開催します。
このワークショップでは、Ableton LiveとMaxを使い、1/23(土)と/2/6(土) 2回のワークショップでステップシーケンサーを自作します。
世の中には、こんなどデカいステップシーケンサーもあるみたいですが(笑)
Signal composeの大和比呂志さんと大石桂誉さんと一緒に、Max for Liveデバイスのステップシーケンサーを作ってみて、改造してみてってっていう会です。
ちなみにSignal composeもスパイシーで効果的なオーディオプラグインのMax for Liveデバイスを作っていて、コチラで購入することができます。
詳しくはコチラをチェックして下さい。
そして、ワークショップ1日目の1/23(土)には、AMCJ (Ableton and Max Community Japan)もイベントをやっています。
こちらのテーマは「作曲 VS 生成音楽」
オウテカみたいな自動生成からブライアン・イーノのようなアンビエントミュージックの生成まで幅広く応用可能な特殊技法が身につくそうです!!
チケットはこちら
この日は、Max Dayですね!!
新しい年のスタートに、新しいことを学んでみるのも良きことですよね!!
オンライン越しですが、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
では、今年もまたよろしくお願いします!!
CD HATA