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Dachambo CD HATAのMachine de Music コラムVol.75
Carl CoxのレーベルからリリースとMax for Liveのデバイス

clubberiaを御覧の皆様こんにちは!

今回は、英国の生きるレジェンド Carl Cox と Christopher Coe が運営するレーベル「Awesome Soundwave」からデビューしたオーストラリア発エレクトロ・アフロビート・チーム"Digital Afrika" 


 

代表曲「Asiko」をCD HATA、KAI、DJ HI-C、Do Shock Boozeでリミックスを作成しました。 その4人が集まって、どんな感じでリミックス作ったの?って話をしたんで、その様子をお送ります。



CD HATA : まずは自己紹介からいいですか?

KAI : KAIです。ONEWORD RECORDSの主宰をしていて、KAI名義や、ユニットPHAN PERSIE(ファンペルシー)名義で楽曲をつくっています。

Do Shock Booze : Do Shock Boozeです。今回このリミックスをリリースしたレーベル「TOTEM TRAXX」を主宰しています。

HI-C : HI-Cです。元々KIREEKというユニットをやっていて、ターンテーブリストとしてDMC World DJ Championでもありますが。今はテクノにどハマりしてトラックもリリースしています。

CD HATA : 今回この話って2006年だったかな、俺らが初めてオーストラリアに行った時に知り合った、Siって人がいるんだけど「最近Digital Afrikaっていうのやってるんだよね」って連絡があって「日本でも何かできないかな?」って相談されたんだ。音がトライバルなダンスミュージックだったから「TOTEM TRAXX」が合うなと思って、Do Shock Boozeくんを繋いだんだよね。まず日本人のDJでリミックス集を作ろうよって話になって、この4人でやることになったんだよね。

Do Shock Booze : 皆さんの作ったリミックスの質感が、”Digital Afrika”のトライバルっぽく生っぽい質感とちょうどマッチしましたよね。

KAI : そうですね。HI-Cくんのリミックスを聴いて、途中でビートのリズムを変えてきた時に「あっ何か同じようなことやってる!」と思いましたね。

Do Shock Booze : 面白かったのが人によってリバーブの使い方が全然違うんだなと思いました。特にHI-Cくんは今回濃い目にかけてますよね。

HI-C : ダヴィーな感じをイメージして、ValhallaのリバーブとAbletonのリバーブを使いましたよ。

Do Shock Booze : センドで使うことが多いんですか?それともインサートでも使う?

HI-C : ケースバイケースですね。インサートで使うこともありますよ。あと今まであんまりコンプを意識して使ってなかったんだけど、今回結構コンプを多用しましたね。



Do Shock Booze : インサートにリバーブを挿して、そこにコンプがかかるから独特の質感になったのかもしれないね。KAIくんは、いつものKAIくんっぽい感じでしたし、CD HATAさんもいつものアシッディーな感じが出てますよね。

KAI : 意識はしてないんだけど、いつもと違う感じでやろうと思ってやった時でも、結果みなさんの反応って「いつものKAIさんっぽいですね!」って言われるんだけど、どういう所がKAIっぽいのか自分ではわからないんだよね(笑)。

CD HATA : おれもそう(笑)。結構みんなからよくアシッディーだって言われるんだけど、そんな意識はなく(笑)。

Do Shock Booze : CD HATAさんのアシッド感はドライなアシッド感だと思うんですよ。もろにTB-303っぽい感じではないんですが、ミドルレンジでアシッド感を出してくる感じが好きです。

CD HATA : そうなんだ(笑)。

KAI : 人から言われて初めて気づいたりしますよね。だから逆に教えて欲しい(笑)。



CD HATA : Do Shock Boozeくん自身は、どういう意図というか意識でリミックスを作ったんですか?

Do Shock Booze : CD HATAさんのリミックスはイントロの感じ含め1曲目って感じしましたし、お二人とも踊れる感じのリミックスだったんで、意表をつくじゃないですけど、たまには変化球もしたいなと思って、ちょっとダウンテンポのリミックスを作りました。

KAI : すかしてきたよね(笑)。

Do Shock Booze : (笑)、オリジナルでもダウンテンポは挑戦していきたいんですが、リミックスでそういう機会が持てて良かった!

HI-C : 意外でしたよね!

CD HATA : でもバラエティーがついて、4曲のバランスが整ったよね!

Do Shock Booze : そういえば早速Asiko Remixを現場でプレイしてMixcloudにアップしてみたんですが、予想以上に反響があって嬉しかったですね。しかも、Technoチャート見たらHI-Cと並んでて(笑)

HI-C : こんな偶然ってあるんですねー!(笑)



KAI : 自分もバランスのことは考えていて、きっとみんなテクノで走らせてくるなと思ったので、テックハウスやアフロハウスなどのハウスによせようと思ったんですよ。
CD HATAさんは想像通りにストレートなテクノで、HI-Cくんが思ったよりもダヴィーだったのが意外だなと思ったら、Do Shock Boozeくんがさらにすかしてきたのでエロいなと思いました(笑)。
リミックスのオアファーをもらった時に、ちょうど自分の2枚組みのアルバムを作っていた時で、REBOOTのTAKAMIさんとの共作曲にラップを入れようというアイデアも出たんですが、ちょっと違うかなという感じになったんですよ。だからリミックスはラップの部分を使ってヒップハウスっぽく仕上げました。



Do Shock Booze : みんなリミックス作る時は、どこから手をつけていきます?

HI-C : リズムからですね。素材を聴いて、ちなみに最初の「Asiko~」ってボーカルは「アフリカ~」って歌ってるのかと思っちゃったりもしてたんですが(笑)、そんな中、ダブステップっぽいリズムが合うなと思って、そこから徐々に4つ打ちに流れていくような曲にしようと思いました。

CD HATA : やっぱりリズムからだよね。その次にシンセをはめようと思ったらマスターピッチが440じゃなくて、どうしようかな?と思ったんだけど。

KAI : そうでしたよね。

CD HATA : ソルフェジオなんちゃらじゃないけど、わざとピッチをずらしてたんだろうね。結局、声ネタだけはそのまま使って、他の楽器パートは使わず、ベースだけ自分で新しく入れて、ベースと声ネタだけだったら微妙にピッチがズレてても成立してるなと思って作ったな。

Do Shock Booze : 一般的なDJが作るトラックのリミックスではなくて、ライブアクトの人達のリミックスだったんで、このメンバーだから仕上げられたっていうくらいの難易度の高さだったかもしれないですね。



HI-C : リミックス素材がステレオファイルとL,Rが別々になったものが届いたんで、どういう定位にするかも考えましたね。

KAI : 素材の段階でPANが綺麗に広がっていたので、それをそのままいかして、付け足す音はモノラルに近い処理で定位を作っていきましたね。
そのままマスタリングも自分でやりました。

CD HATA : KAIくんは、自分でマスタリングをやったんですね。おれの曲とHI-Cくんの曲はDo Shock Boozeくんがマスタリングしてくれたんですよね。おれ結構、Do Shock Boozeくんのマスタリング好き!もうちょいココ足りてないかもな?どうだろうな?って思ってた部分を上手くカバーしてくれる。

Do Shock Booze : そうなんですね!ありがとうございます!
KAIくんからは今まで何度かマスタリング済みのものを受け取ってるんですけど、自分がマスタリングするのと方向性が似てるんですよね。
あえて自分がやる必要がないなと思いながらいつも聴いてます。

KAI : そうだったんね!そしたらこれからは自分の曲は全部Do Shock Boozeくんにマスタリングやってもらおうかな(笑)。むしろ曲を全部Do Shock Boozeくんに作ってもらいたいくらい(笑)。

Do Shock Booze : いいの(笑)?

HI-C : それ、もはやKAIくんの曲じゃないじゃないですか(笑)。

CD HATA : だよね(笑)。KAIくんも他の人にマスタリングしてもらうことってある?

KAI : レーベルによってレーベルカラーがあってお任せする時もありますね。

CD HATA : 任せちゃうと「そうじゃないのに…」って時もありますよね。

Do Shock Booze : マスタリングでできることは限られてますし、ミックスまで戻ってもらって調整した場合がいい時もありますよね。



CD HATA : そういえばおれのリミックスは、一回マスタリングしてからラップの部分は修正したんだ。さっきピッチのズレの話も出たんだけど、オリジナル素材はBPM=124なんだけど、あえてそのままBPM=130のトラックにのせたんだよね。そうすると素材(今回は声ネタだけだけど)よりもバックのトラックが前のめりに走るというか、微妙にズレてるんだけど、ギリOKみたいな。DJのミックスもオートでキッチリあいすぎてるのよりも微妙に、うにゃっとしつつも、あうところはバッチリあってる、とか好きで、そのモアレ感がサイケデリックだなと思ってるんだよね。あと付け足したパーカッションも1小節を13拍で割ったシーケンスフレーズで、ちょうどこのリミックスを作っていた時に、Max for Liveのワークショップをやってて、その時に作ったステップシーケンサーが、そういうことができるもので、さっそく使ったんだ。でも頭のボーカルの「Asiko~」って音符が長い所は、微妙にズレた組み合わせで成立してたんだけど、ラップのリズムの縦線がはっきり出てる所は、ちょっとキツイかなってことで、修正したんだよね。
 
KAI : そうだったんですね。面白いことやってますね~。

Do Shock Booze : それぞれのイマジネーションの方向性がいかされて、想像以上にいいものが出来上がりましたね!ありがとうごさいました!

一同 : ありがとうごさいました!



CD HATAのインタビュー中にも出てきた、Max for Liveのデバイスは、2021年1月23日と2月6日の2日間にわたり受講者参加型の取り組みとして開催されたDIY Music Online Workshopの時に教材として使われたステップシーケンサーです。 一緒にワークショップをやったSignal composeの大和 比呂志さんと森田 了さんにも話を聞いてみました。

CD HATA : DIY Music Online Workshop おつかれさまでした!

大和、森田 : おつかれさまでした!



CD HATA : お二人の自己紹介お願いしていいですか?

大和 : 私と森田はIAMAS (情報科学大学院大学)で、先輩後輩で、今は一緒に「シグナル・コンポーズ株式会社」という音楽/デザイン/プログラミングを主軸にした会社をやっています。

森田 : 私は元々音楽大学出身で、IAMASではガムラン(民族音楽)を使ったSar/on railsという作曲をやっていました。Maxはこの作品のシミュレーションをするのがきっかけで使い始めて、トラックメイクでも活用するようになりました。

CD HATA : さっきのインタビューでも話したんですけど、ちょうどこのワークショップをやってる時に、同時期に納品するリミックスがあって、このワークショップで教材にしていたステップシーケンサーを使わせてもらったんですよ!

大和 : そうだったんですね!

CD HATA : ちょうど、1小節の中を4の倍数や、3の倍数で割るだけじゃないシーケンサーを探していて、あっ!グリッドに沿わないで割るというか...説明難しいですね(笑)。

大和 :そうですね、グリッドに沿わないで割る、というので理解はあっていますが、もっとシンプルに考えて「割りたい拍数を自由に決めたい」ということです。何も1小節の4拍を基準にしないで「1小節+1拍」つまり5拍を割ってもいい訳です。ただ 単純に奇数などでループさせるシーケンサーはありますが、1小節をはみ出た拍数の中で任意の拍で割る、つまりちょっと違ったテンポのものを混在させることは難しいんですよね。

CD HATA : そうなんです。AbletonなどのDAWでも、それやるの難しくて、あのシーケンサーはそれがパッとできて、お!っと思いました!

大和 : LogicProだとフレーズの相対関係を崩さずMIDIを伸び縮みさせることが出来るので、できないことはないですね。
MaxやMax for Liveのデバイスを使えば色々なものを作ることができます。
ちなみに、ちなみに4/4と5/4を両方とも4拍子化して20拍で同期するマルチBPMで作った作品がこれです。




大和 : これ演奏している側は相当大変そうでした(笑)。
どういう仕組みかは修士論文がこちらにリンクされてますので興味があれば読んでみてください。


CD HATA : ワークショップで教材にしていたステップシーケンサーを発展させたデバイスがリリースされたんですよね。

森田 : FlexLengthStepSqは、ワークショップ1日目の講義で使ったステップシーケンサーに、さっき大和さんが言っていた考えかたを足したものですね。



大和 : Bar Offsetsのボタンを追加し、先ほど話をした「1小節をはみ出た拍数の中で任意の拍で割る」というのをできるようにしました。

CD HATA : さっきの話も、言葉だけだとちょっと難しかったんですが(笑)、実際に触ってみると面白いことができるのわかりますね!

森田 : Bar Offsetsのボタンは、最初Add Beatという名前にしようかというアイデアも出たんですが「ビートを足すわけではないし?」など議論しながら作っていきました。

CD HATA : これ使うと面白いポリリズムがどんどんできてきますね!

森田 : さらにこの2個は1つのデバイス内で、2つや4つの別々のポリリズムを組み合わせられるようにしています。
2PolyFlexLengthStepSq
4PolyFlexLengthStepSq



大和 : M-BASEという、スティーヴ・コールマンやグレッグ・オズビー達が提唱したポリリズムのジャズ理論もあるのですが、それともまた違った、計算で変わったリズムや拍数を作るのも面白いと思うんですよ。



大和 : 各トラックごとにBPMを設定できたり、各トラックごとに拍子記号を設定できたりするDAWが存在しないことに対して不満をもっていて、特にコンピューターを使った音楽だからこそできることは、もっと沢山あると思うんですよね。
譜面に書こうとすると、とんでもなく複雑になるんですけど、既存の音楽習慣に縛られないで、もっと自由な発想で音楽が作れたらいいなと思っています。

CD HATA : なるほど!確かに自分ももっと面白い音楽を作っていきたいんですよ!
そういえばRandomのボタンがついていて、自動的にパターンがつくられるのいいですね!
自分にない発想のリズムパターンがどんどん作られてくる!

森田 : そうですよね。あとこの16ParameterSequencerが、ワークショップの2日目に、受講者がステップシーケンサーを改造したものを発表したりもしたのですが(Max for Liveはデバイスの改造もできる!)、先生で登壇してくれた大石さんが発表したものを発展させたものなんです。



CD HATA : さっきの3つのシーケンサーでパターンを作って、このシーケンサーでパラメーターをぐにょぐにょ動かしていったら、すごい色々なことができますね!

大和 : そうですね。例えばエレクトロニカのグリッチなんかは、既存の使い方からはみ出した使い方で生まれた音楽だと思うのですが、プログラミングを使った音楽では、そういった新しい可能性がもっとあると思うので、自分たちが作ったデバイスで、少しでも音楽の枠組みを広げられるようなことができたらと思っています。今日紹介したデバイスがリリースされているmasalaaudioのホームページもリニューアルされたので、是非みてみて下さい。

CD HATA : まずは難しいことを考えずに触ってみると感覚的に面白さに気づきますよね!そして他にも面白そうなのいっぱいありますね。チェックしてみます!今日はありがとうございました!

大和、森田 : ありがとうございました!

 



Totem Traxx Presents: Remixes of Digital Afrika "Asiko" [TTDG90]

1.Asiko(CD HATA Remix)
2.Asiko(KAI [JP] Remix)
3.Asiko(DJ HI-C Remix)
4.Asiko(Do Shock Booze Remix)

beatport:
https://www.beatport.com/release/asiko-remixes/3316826

Bandcamp Store:
https://totemtraxx.bandcamp.com/album/remixes-of-digital-afrika-asiko


英国の生きるレジェンド、Carl Cox と Christopher Coe が運営するレーベル「Awesome Soundwave」からデビューしたトオーストラリア発エレクトロ・アフロビート・チーム"Digital Afrika" の「Asiko」をCD HATA、KAI、DJ HI-C、Do Shock Boozeといった日本国内の気鋭アーティスト達がリミックスし、「TOTEM TRAXX」との国境を超えたコラボレーションが実現。
Carl Coxがハイレコメンドするオリジナルの「Asiko」はアフリカの大地に根ざした美しく力強いメロディとリズム、ボーカルと共にファンキーかつフロアライクなグルーヴをこしらえたキラーチューンだ。
そんな楽曲を更なるネクストレベルへと押し上げたリミキシーズにもご期待ください!
生きとし生けるもの全ての境界を超えた超自然的音世界に新エネルギーを見出す旅は続く。

Digital Afrika, the tribal live unit that debuted on the Australian label Awesome Soundwave, owned by living British legends Carl Cox and Christopher Coe, has arrived in Japan with their latest release. Their original song "Asiko" has been remixed by up-and-coming Japanese artists CD HATA, KAI, DJ HI-C, and Do Shock Booze, and is now available as a cross-border collaboration with TOTEM TRAXX. Asiko" is a killer tune with a beautiful and powerful melody, rhythm, and vocals rooted in the land of Africa, and a funky, floor-like groove. Expect more of the same from Remixes as they take this song to the next level!
The journey to discover new energy in wonders of the world of sounds which reaches beyond the borders of all living things will never end.

Catalog #: TTDG90
Release Date:  2021-04-09
Pre-Order Date:  2021-03-26