DJ、プロデューサーとして活躍するSUGIURUMNが6月16日にアルバム『AI am a boy.』をリリースした。3年ぶりとなる本作。人工知能(AI)をテーマに、人工知能が世界を飲み込み破綻していくさまをリズムマシーンとシンセサイザーで表現したという。またリリースに全国ツアーも決定。その日程は後述するが、アルバムについて本人が話してくれた。
——人工知能をテーマにしたのはなぜですか?
前作『20xx』は、ジョージ・オーウェルの小説『1984』的な世界観をモチーフにして制作しました。反ユートピア的な世界のサウンドトラックとして、正確に回る冷たい歯車のようなテクノがとてもマッチしました。そうした前作の経緯もあり、次作を考えたときに、映画『ブレードランナー』だろ、もう人口知能(AI)しかない! また同時に、AI(エーアイ)をI(アイ)と読ませる今回のアルバムのタイトル『AI am a boy.』というのが閃いて、どう考えても、もう人口知能(AI)しかない!となりました。またboyという単語が、アーサー・C・クラークの小説『幼年期の終わり』をも連想させるタイトルで気に入っています。
——サウンドはニューウェーヴや初期のエレクトロを連想させますが、そうなった背景はありますか?
3年前は卓球さんのスタジオで音楽をよく聴かせてもらってた影響がとても大きいです。僕はもともとロックバンドをやっていたので、当時のものは、なめられない程度には聴いていたのですが、ギターが入っていないだけで、根性が足りないと思って、当時はきちんと聴いていませんでした。DJになった今、改めて聴いてみたら衝撃的で、あのときわかっていなくて本当によかったなと。ものすごく制作せずにはいられない気持ちになりましたから。
——製作期間は3年とありますが、最初からテーマは決まっていましたか?
はい、テーマのAIは決まっていて、そしてシンセサイザーとドラムマシンだけで作ろうと思いました。また、初めて曲順通りに制作しようと思いました(アルバムに収録する曲を作ってから曲順を決めるのではなく、1曲目を作り終えたら2曲目の作る)。戻れない冒険に出ているような独自の緊張感とワクワク感がありました。本当の制作期間は2年で、残りの1年間は聴き込み期間でした。1年間、聴き込んで、僕自身が飽きなかったらリリースしようと思っていました。
——収録曲のなかで、とくに印象深いエピソードがある曲はありますか?
どの曲もエピソード満載なのですが、9曲目の「Synthesizer Blood / Cafe Con Leche Con Hielo」は、一曲の中に二曲入っている曲なのですが、その前半部分で、ラジオを長い間一緒にやっていた盟友、ブライアンが歌っています。その彼が病気で体調が本当に最悪なときに、車の中で録音しました。シンセサイザーとマシーンドラムが人体に及ぼす影響について歌ってもらったのですが、本人の体調が死を意識するくらいに本当に悪かったのもあって、神がかかったボーカルが録音できました。その後、本人も体調も良くなって何よりです。
——完成させる前と後でAIについて考え方は変わりましたか?
変わってはいません。ですが、今後AIが急速に進化して、BoyからMenになったとき、僕たちが子どもの頃に思い描いていた未来がやっと訪れるでしょう。僕たちは極端な2つ未来を思い描いていたはず。もちろん素晴らしい未来になってほしいです!
——本作を完成させるにあたり、ご自身の変化はありましたか?
大袈裟な言いかたになりますが、僕自身、好きな音楽がありすぎて、そんな憧れの対象に少しでも近づくために音楽をやってきた感覚がありました。ところが、本作から、年齢やキャリアのせいか、そういったものを追い抜いたというのとも違うのですが、あらゆるものから自由になれた感覚があります。そういったなかで、また次作のアイディアが完全にあるので、早く作りたいです。
——DJをやる前のバンドElectric Glass Balloonから考えると長い間音楽業界にいますが、振り返って思うことはありますか?
Electric Glass Balloonで初めてCDをリリースしたのが、1992年ですから、正確には25年で、SUGIURUMNとしては18年です。振り返って思うことは、なにひとつありません。この先も続けていくことが、目標ではありません。次の作品でも友達や、みんなをまた驚かせたいです。
リリース情報
アーティスト:SUGIURUMN
タイトル:AI am a boy
レーベル:BASS WORKS RECORDINGS
発売日:6月16日
ツアー情報
6月23日 埼玉県 444quad
6月24日 愛知県 CLUB JB’S
6月30日 北海道 alife
7月1日 北海道 UNDERSTAND
7月8日 栃木県 SPACE LAB π
7月15日 福島県 DOOZ
7月22日 京都府 CLUB METRO
7月16日 静岡県 AERA
8月4日 福岡県 HIVE
8月12日 東京都 R Lounge
8月26日 鹿児島県 JADE
9月1日 岡山県 YEBISU YA PRO
9月2日 大阪府 ALZAR
9月8日 福島県 NEO
9月15日 福岡県 Kieth Flack
9月16日 静岡県 dazzbar
9月30日 岩手県 SICKth
※他の都市も順次更新予定
■SUGIURUMN公式サイト
http://sugiurumn.com/
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