2017年10月31日、ニューヨーク市議会にて、許可証を持たない飲食店で一般客を踊らせることを禁止する「キャバレー法」の廃止に向けた法案が可決された。
禁酒法時代の1926年に制定されたこの法律、元々はモグリ酒場の摘発を意図して制定されたもので、白人客と黒人客が入り混じるハーレムのジャズクラブを対象としていたが、その後広く適用されていた。ライセンスの取得に時間もお金もかかる上、複数の認証を必要とするため、ニューヨーク市内にある2万2000店以上の飲食店のうち、許可証を持つのは…97店にすぎなかった。結果的にバーやクラブのオーナーたちは怯えながら営業を続けることとなり、ダンサーたちを安全で規制のある場所から遠ざけ、危険な地下へ追いやることとなっていた。90年代以降は、人種差別的な法律であるとしてこれまで何度も提訴されたが、なかなか状況は改善されなかった。
そんな状況が今やっと変わろうとしている。このキャバレー法撤廃は、Rafael Espinal議員より提案されたが、彼はライセンスを持たないバーやDIY精神を持つヴェニューが急増しているエリア、ブッシュウィック地区の代弁者だった。同法の廃止を目指してきた約1年間に及ぶ運動がやっと実を結ぶこととなったが、この決定によりダンス営業をするための特別な許可を取得する必要や、それに反した際の罰金を払う必要もなくなるとのこと。
同じくRafael Espinal議員による提案で、2017年8月には、ニューヨーク市にナイトライフ局を設置する法案がすでに可決しており、アムステルダムのナイトメイヤー、ロンドンのナイト・ツァーに続いて同様の新たな役職「ナイトライフ・ディレクター」の設置も決まっていたが、ナイトライフの重要性が改めて見直される中での今回の法改正となった。
参照:https://www.nytimes.com/2017/10/30/nyregion/new-york-cabaret-law-repeal.html
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