企業より個人の開発者が重んじられる海外では、「ミスター・キクモト」として知られ、トリビュート盤も出る菊本氏。豪華アーティスト出演でも話題となったドキュメンタリー『808』へも出演をしていない最後の巨人が、初めて「TR-808」「TB-303」「TR-909」、そして、今や世界的音楽通信規格となった「MIDI」の開発秘話を設計者本人の立場から語る。
巻末には、菊本氏が関わった機材の実際の使用例をまとめたディスクガイドも掲載。 メーカーが配布していた貴重なデモレコード、アフリカ・バンバータ、808STATE、YMO、電気グルーヴなどが使用した背景がまとめられている。
石野卓球氏からの帯コメント
808 909 606 707 そして Roland、もしもこれらによって奏でる音がなかったとしたら僕の音楽人生もなかったと断言できる。
『TR-808<ヤオヤ>を作った神々 菊本忠男との対話──電子音楽 in JAPAN外伝 』
田中雄二[著、編集]
目次
まえがき
1 コンピュータ時代のあけぼの
2 ローランド誕生。 菊本入社前夜
3 菊本、 ローランドに入社
4 「Dr. Rhythm DR-55」完成とP8設立
5 メイキング・オブ「TR-808」
6 「TR- 606」、「TB- 303」、「MC- 202」誕生秘話
7 「TR-909」はなぜアナログ方式を採用したのか
8 ヤマハ「DX7」の衝撃と新たなる挑戦
9 MIDIの誕生
10 基礎技術開発室設立と〝SA音源〟
11 LA音源の開発。「D-50」の誕生
12 DTMの発明
13 GS対XG対GMのフォーマット戦争と「通信カラオケ」
14 ネットで世界を音楽で結ぶ技術者の夢
15 「M1」とワークステーションの登場
16 テクノ、 ハウス、 マイアミ・ベースと〝ミッドゼロ〟
17 「ヴァリフレーズ」の誕生
18 「COSM」と〝感性モデリング〟
19 ローランド社長就任と降板
20 退職後、 静岡大学へ
21 ソフトウエア・シンセサイザー「RC-808」
22 「サイレント・ストリート・ミュージック」は音楽で人をつなぐ
巻末付録:音盤(メディア)で辿る日本の電子楽器史
あとがき
参考資料一覧
予価
本体2,500円+税
販売先URL
http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK287