日本科学未来館のプラネタリウムという開催会場のキャパシティ上の関係もあり、定員100名という条件のもと行われた本イベント。イベントは、『Planets』の「Introduction」が流れ始めスタート。5.1chサラウンドのサウンドシステムから高音質サウンドが会場に響きわたると同時に、今回のために制作されたドーム用映像が天井全面に映し出され、大きな惑星が目の前を覆った。会場をひとつのスペースシャトルに見立て、惑星を次々と旅していくという演出だ。
■PlanetsTrailer1
リスニングプログラムが終わるとJeff Mills本人が会場に現れ、『Planets』の作品解説を行った。『Planets』は、9つの惑星をテーマにした作品となっており、各惑星の物質的な内容をもとに作曲。メロディやテンポなどにその特徴を反映させているそうだ。彼は、作品についてこう語った。
“例えば「Earth(地球)」では、水を多く含んでいる地球の特性を表すために水を連想させるフレーズを作りました。それと同じようなフレーズを「Mars(火星)」や、「Pluto(冥王星)」でも使用し、惑星ごとの共通点なども表現しています。また、私は惑星から惑星への旅の過程を重要視しています。惑星の名前が銘打たれた収録曲の間には、「Loop Transit」という“惑星から惑星への旅”を意味したトラックも収録しています。各惑星の楽曲ではクラシカルな要素が多い内容となっているのに対し、ほとんど未知な部分である「Loop Transit」ではエレクトロニックミュージックの要素を強く盛り込みました。特に「Loop Transit」では、未知なる部分を表現するため、未知の生命体がいるんじゃないかという気持ちも込めて、動物的な動きを音で表現しています。少し説明すると、何か這っているような動きや、飛び回っているといった動物的な動きを音で感じ取れるよう心がけてミックスを施しました”
Jeff Millsは、さらに続けてこう語った。
“結果的にこの作品が、エレクトロニックミュージックや自分たちがこの先どうなっていくのかということを何かしら示唆できるような作品になったのではないかと思っています。また、本作の特徴のひとつとして、科学者による宇宙の新しい発見が生まれれば、この楽曲に反映させていくというものがあります。例えば、新しい惑星が発見されれば、本作品にも新しい曲を収録させたりなど、自分が亡くなった後でも誰かが引き継いでこの作品を作り続けてくれることを願っています”
『Planets』のリリースは、2017年2月22日(水)。またリリース当日には、日本初披露となる『Planets』のコンサートが大阪・フェスティバルホールで開催される。Jeff Millsは、今年3月に共演を果たした名門オーケストラ、東京フィルハーモニー交響楽団と再びタッグを組み、国内屈指の音響空間に登場する。公演の詳細はオフィシャルサイトにて近日発表される予定となっているのでお見逃しなく。
■オフィシャルサイト
http://promax.co.jp/bakucla/
■Jeff Mills/The Bells