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討論あり、制作あり、ライブあり。日本のダンスミュージックシーンの今を真剣に考える3日間。TOKYO DANCE MUSIC EVENTとは!?

 12月1日(木)から3日(土)までの3日間、東京・渋谷の5会場(渋谷ヒカリエ・ヒカリエホールA、Red Bull Studios Tokyo、WOMB、contact、SOUND MUSEUM VISION)で開催される、日本初のダンスミュージックに焦点をあてた音楽カンファレンス&イベント「TOKYO DANCE MUSIC EVENT(以下、TDME)」。日本でも人気の高いフィメールDJのNina Kravizや、ディスコシーンにおける伝説的プロデューサーのGiorgio Moroderなど、世界から多彩かつ豪華な顔ぶれが集まることで注目を集めているイベントだ。

 ただ、一口に〈ダンスミュージックの国際カンファレンス&イベント〉と言われても、実際に何が行われるのかよくわからず、ピンとこない人もいることだろう。そこでTDMEの発起人で運営に携わる実行委員会のコーカー ローレン ローズ氏、倉本博史氏、柳井功治氏の3氏に、イベントの概要について話を伺った。

   
——そもそもTDMEはどういったイベントなのでしょうか?

ローレン:もともと海外ではダンスミュージックのカンファレンスが盛んで、アーティストや音楽業界の人々が集まってシーンについて話し合ったり、一般の方も楽しめるライブやパーティーを行うイベントがたくさんあります。それと同じように、TDMEでは世界から業界のキーパーソンを迎えて国際的なネットワークを広げることで、日本のダンスミュージックシーンをさらに盛り上げることが目標としてあります。

倉本:例えばアムステルダムの「Amsterdam Dance Event」というイベントでは、街のどこもかしこもパーティーをやっていて、ベッドの中でもずっとズッコンズッコン鳴ってるみたいな状態で(笑)。行くたびに日本からの来場者も増えて盛り上がりを感じる一方で、日本のクラブシーンは世界に追いついていないと思わされることが多いんです。これはどこかでシーンが一体となって議論する場所を作ったり、いまの世界のトレンドを日本の関係者に知ってほしい、という思いから立ち上げました。

——TDMEは、「カンファレンス(国際会議)」、「セッションズ(音楽制作)」、「ライブ(音楽パフォーマンス)」という3種類のプログラムで構成されています。まず、「カンファレンス」はどういった内容になりますか?
ローレン:世界各地から約50名のゲストスピーカーを迎えて、ダンスミュージックに関係するさまざまなテーマについて話し合います。1日目はクラブやフェス、ツアーといったライブビジネスの話題が中心で、風営法改正についてのパネルも予定。2日目は音楽マーケティングやストリーミング、新しいテクノロジーなど、レーベル向けのお話がメインになります。

柳井:Calvin HarrisやKygoなどの世界的アーティストを育てたUltra RecordsのCEO、Patrick Moxey氏も登壇します。彼らがいかにしてトップクラスのDJ/アーティストに上り詰めることができたかといった事例を話してもらう予定です。

 

 
——他に、自身もтрип(トリップ)というレーベルを運営するNina Kravizの登壇も決定しているとのことで、音楽関係者ならずとも興味深いお話が聞けそうですね。そして「セッションズ」では4つのワークショップが予定されています。


倉本:「セッションズ」はプロデューサーやアーティスト志望の方、作家さんやクリエイターの方がおもしろいと思える場を提供できればと考えています。1日目の「Ableton Meetup Tokyo」では、Ableton Liveという音楽ソフトウェアのレクチャーで、認定トレーナーのKOYAS氏やDachamboCD HATA氏、DJ BAKU氏、JUZU a.k.a. MOOCHY氏、Seiho氏といったアーティストの方から、実際にダンスミュージックの作り方を学ぶことができます。

 

——同日には、Pioneer DJ製のスタンドアローン型のハードウェアサンプラー「TORAIZ SP-16」を用いたワークショップにsauce81YAMATOが参加。banvoxと☆Taku Takahashiによるトークセッションもあって、豪華な内容ですね。そして、2日目の「TOOLROOM ACADEMY」ではToolroom Recordsのメンバーと直接交流できるとのことで、貴重な体験になりそうです。

 

倉本:そうなんですよ。「TOOLROOM ACADEMY」はレーベルの所属アーティストやA&Rがそのノウハウを教える音楽学校で、これがアジア初開催となります。今回はスロベニアのUmekUKProk & Fitchという現在進行形で活躍するアーティストが参加して、彼らから音楽制作について教わったり、自分のデモトラックを評価してもらうことができます。レーベルではこのアカデミーを通じて新しいアーティストの発掘を目指しているので、もしかしたら今回の参加者の中から作品をリリースする人が誕生するかもしれませんね。
 

 
——「ライブ」では5つのパーティーが決定しています。2日(金)のWOMBにはUmek、Prok & Fitch、Takkyu Ishino、Sunseaker、同日のSOUND MUSEUM VISIONにはETC! ETC!、banvox、Shintaro、DJ moeが出演。そして渋谷ヒカリエで実施される「TDME×BOILER ROOM」は、ストリーミング配信メディアのBOILER ROOMを通じて世界にライブ配信もされます。

倉本:それもあって「TDME×BOILER ROOM」には、Wata Igarashi、Seiho、galcid、Sekitova、Satoshi Otsukiという、現在世界で活躍している日本のアーティストにご出演いただきます。せっかく東京のいまのダンスミュージックを世界中に提示するチャンスなので、これからの方たちをフックアップしたいという気持ちも込めたラインナップになりました。プロダクションを含め大いにご期待ください!

——3日(土)はcontactにGiorgio Moroderらが出演。そしてWOMBでの「TDME Closing Party」には、覆面ハウスDJとして注目を集めるUKのClaptone、フランス発のエレクトロニカアーティストThylacineという新進気鋭のアクトが登場します。これはジャンルを問わず、全方位でダンスミュージックを楽しむことができるイベントになりそうですね。

ローレン:カンファレンスも硬い感じではなく、カジュアルでフレンドリーなものを目指しているので、あらゆる人に来ていただきたいです。セッションズは音楽制作を志す人向けで、ライブはもちろん誰でもウェルカムです!

■公式サイト
http://tdme.com/s/TDME16ja