協力:PRIMITIVE INC.
(Far East Recording)
——寺田さんの活動とMAWの活動は、時間軸的に近いかと思います。寺田さんは、彼らのことをどのように見ていましたか?
MAWの印象は、リミックスのスーパー職人という面と、オリジナル曲での生楽器とプログラミングの絶妙な融合を見せるプロデューサーの面のふたつがありました。サルサへの回帰と言われたNuyorican Soulが当時の自分にとってはまるでラテンジャズのように聴こえてきて新鮮だったなあ。
——MAWとのエピソードはありますか?
今年インドでのRed Bull Sessionsに参加して、3都市でライブとトークセッションをやったのですが、去年はそれにKenny Dope氏が参加していて食事にとても気を使っていたそうです。彼の食事に対する用心深さを聞いて「心配し過ぎなんじゃないか?」とも思ったのですが、帰国したとほぼ同時に、自分自身が下痢になって彼の用心深さは正しかったと思い知りました。
——MAWで好きな曲をひとつ教えてください。
カバー曲ですけれど「Runaway」が好きです。曲自体も原曲のサンプリングから入るイントロもすごく楽しい。あとKenny Dopeの「All I'm askin'」も好きでした。前後の曲との組み合わせでストーリーが出来あがる作りになっていると思うから。
——寺田さんにとってハウスミュージックの魅力とは何でしょうか?
魅力はいっぱいあるのですが、音の構成がスカスカなのにグルーブがあって、何時間にもわたるミックスをひとつの曲というか流れのように楽しめるところかなあ。
(BEAMS RECORDS)
■Beams Records
http://www.beams.co.jp/beamsrecords/
——昨年のパーティーでMAWのプレイやフロアを見て何か思うことはありましたか?
一体感がありながら、よく見ると多様性のあるフロアのムードが実に楽しかったです。MAWのプレイは安定感だけでなく意外性も感じられてさすがでした。ライティングのArielも素晴らしかったですね。
——青野さんにとってMAWというアーティストは、どういった存在だったでしょうか?
僕はDJを1987年からスタートして、わりと早く(88年とか?)にハウスミュージックに傾倒していきました。その意味ではMAWの歴史とともにDJをやっていた感があります。とくに彼らの手がける歌もののダブバージョンは上がり過ぎずディープ過ぎずの絶妙なバランスで自分の好みにフィットし、初期作品からよくプレイしていました。
——MAWにまつわるエピソードがあれば教えてください
Kenny Dopeが自分より若くて驚きました。
——MAWの曲で好きなものを1曲教えてください。
「Our Mute Horn」(1991/Cutting Records)。初期作品ですが、“マイルス・デイビスの思い出に捧ぐ”と銘打たれたトランペット、Visual「The Music Got Me」をサンプルした声ネタなどが絶妙に配置されています。生演奏+打ち込み+サンプリングのバランスがとてもよく、のちの活動の祖型となっている印象です。
——BEAMS RECORDのサイトを見ると、名盤やクラシックと呼ばれるものも売上げランキングに入っています。これは、どういった方がどのような意図で買われていたりしますか? また、最近の傾向などはありますか?
旧譜については店を始めた2000年から一貫して「今の耳で聴くと結構新鮮なんじゃないかな」という作品を扱っています。最近ではRVNGなんかがやってる80’sアンビエント〜エクスペリメンタルのリイシュー作品は安定して人気です。懐かしいと言って買う人よりも、今まで知らなかったけど近年のチルアウト〜バレアリック文脈で知ったという人が中心です。また、日本もののシティポップ的な作品(昔の)は、とくに海外だとVaporwave〜Future funkの流れ(ネット・カルチャー)によるところが大きいですが、国内ではあんまりその影響は表立って大きくはないようで、たんに洒落ていて心地よい音楽として受け止められています。うちの店は海外からのお客様も多いので、そのあたりも少しだけですが気にかけていますね。
(CHAMP RECORDS / KAY-DEE RECORDS)
■BLOG
http://blog.livedoor.jp/champattheroom/
――Kenny DopeのレーベルKAY DEE RECORDSからリリースした経緯を教えてください。
Kenny DopeとDJ Spinnaが来日のタイミングで、僕が自主でリリースした7inchを渡したいと伝えたんですが、Kennyは疲れてて会えず。それでSpinnaにレコードを託したんです。渡したレコードをKennyが気に入ってくれてミックスや現場でよく使ってくれました。その後連絡が来て新曲をリリースすることに繋がりました。
――TOMINAGAさんにとってKenny Dopeはどういったアーティストでしょうか?
DJ、曲づくり、共にすごく参考にしているアーティストです。音楽の流行りに媚びてないのが良いです。
――同様にMAWはどのようなアーティストでしょうか?
ハウスをあまり聴いてこなかった僕でも、家に何枚もレコードがあるようなアーティストです。
――Kenny Dopeとのエピソードがあれば教えてください。
ゴールドラッシュにハンバーグを食べに行った時、目玉焼きをよく焼いてる姿が印象深いです(笑)。
――Kenny Dope、MAWの曲で好きなものを教えてください。
Shirley Bassey「Light My Fire (Kenny Dope Remix)」(https://itunes.apple.com/jp/album/the-remix-album-diamonds-are-forever/695780419)とMasters At Work「GET UP REMIXE」ですね。
(DISKO KLUBB)
■Soundcloud
https://soundcloud.com/monkey-timers
——MONKEY TIMERSにとってMAWというアーティストは、どういった存在でしょうか?
僕たちは世代的にMAWを通っていません。ただ、楽曲はもちろん知っていますし、Louie VegaとKenny DopeはDJとして憧れの存在でしたね。彼らがプレイする楽曲の数々が現代に継承され、そしてクラシックになり、今でも彼らを聴きにお客さんが集まることがすごいと思いますし、文化になりつつある。そんな風になれたら最高だなと思います。
——MAWの曲で好きなものを1曲教えてください。
The BraxtonsのThe Boss (Masters At Work Album Mix)ですね。DIANA ROSSの名曲「THE BOSS」のハウスカバーをMAWのリミックスでより昇華させた曲。原曲が良いのはもちろんなのですがMAWのリミックスによって今も昔もプレイされ続け、どの時代でも劣化しない良い曲だと思います。
——MAWの曲をフロアでかけることはありますか?
これも同じで「The Boss (Masters At Work Album Mix)」ですね。クラブやパーティー内容、客層、お客様の雰囲気によって変わりますが朝方にかけることが多いですね。パーティーの終盤になるにつれて、エモい気持ちになった時にプレイしてることが多いかなと思います。
■公式サイト
http://www.dazzledrums.com/
——昨年のパーティーでのMAWのプレイやフロアを見て、何か思うことはありましたか?
過去にヒットしたMAW関連の曲に対してはすごく盛り上がるのに、初めて聴く曲が流れた時の反応が薄いなあ、ということですね。LouieさんもKennyさんも新しい曲をたくさんリリースしていますし、彼らの音楽はオリジナリティを保ちながら、シーンの変化に合わせて進化しています。是非新しい彼らの音楽もオープンマインドに聴いて頂けたら、と思います。
——Dazzle DrumsにとってMAWというアーティストは、どういった存在でしょうか?
私たちのレコード棚から、MAW関連すべてのヴァイナルが消えてしまったら…考えられない。DJとダンスフロアに虹の橋を架けてくれるような、そんなMAWの作品にいつだって支えられてきました。これからもダンスミュージックシーンの希望であり、私たちのDJライフにとって大きなモチベーションのひとです。
——DJユニットとして、彼らのDJの優れている点は何だと思いますか?
それぞれがずば抜けた才能と個性を持ち、その良さを打ち消さずに唯一無二のスタイルを確立していること。お互いを尊重し合っているのが、プレイスタイルから大きく感じます。家族同様な長年の信頼関係から生まれる新たなクリエイティビティは、また次のレベルだと思っています。
——今年もお二人は出演されますが、この日、どういったパーティーになると思いますか?
希望を書くとするなら、MAWが全盛期のときだけではなく、いまも素晴らしいソウルフル・ハウスがたくさん生まれていて、シーンは続いているんだというのが、幅広い世代に音楽で伝わるパーティーになったら、最高です。先日行ってきたアムステルダムでのADE 2017でも、MAWによるKenlouパーティは盛り上がっていました。
——MAWで好きな曲を1曲教えてください。
Kei Sugano
The Braxtons「The Boss (Kenlou Mix)」
本当に素晴らしいカバーです。曲の素晴らしさで数多くの思い出深いフロアシーンを作って頂きました。
Nagi
Roni Size Reprazent「Watching Windows (Roni Size Meets Nuyorican Soul)」
最後の一音を聴き終えると、ひとつの旅を終えたような気持ちになる。とても特別な曲です。ミュージシャン同士の音楽的な信頼と才能の凝縮が伝わってきます。
Roni Size-Watching Windows (Nuyorican Soul Remix) from beantownboogiedown on Vimeo.
やけのはら
DJ、ラッパー、トラックメイカー。「FUJI ROCK FESTIVAL」、「METAMORPHOSE」、「KAIKOO」、「RAW LIFE」、「SENSE OF WONDER」、「ボロフェスタ」などの数々のイベントや、日本中の多数のパーティーに出演。YUKI、でんぱ組.inc、中村一義などのリミックスも行っている。
■Twitter
https://twitter.com/yakenohara_taro
——昨年の同パーティーに出演されていますが、当時MAWのプレイやフロアを見て、思うことはありましたか?
ハウスミュージック、ダンスミュージックの、核、現在までの歴史が積み上げてきた、王道的な、何かというか、自分が学生のころ最初に好きになった、ダンスミュージックのエッセンス、その匂いを感じました。
——やけのはらさんにとってMAWというアーティストは、どういった存在でしょうか?
王道で異端、というイメージでしょうか。時代ごとに新しいアプローチ、様々な曲を作りながら、どこかどっしりと本流を捉え続けているような気がします。
——昨年の出演時に、ツイッターで「自分なりのハウス愛を表した選曲ができればと思っています!」とつぶやいていましたが、どのような曲をかけたか覚えていますか?
ちょっと、細かくは忘れてしまいましたが、自分なりに、ダンスミュージックのツボを押さえた、持続するグルーヴ、抑制と開放、を奇を衒わず(できていたのか分かりませんが)かけようとしたように記憶しています。
——やけのはらさんにとってのハウスの定義はなんでしょうか?
普段、ここからここが「ハウス」などと、分けて聴いていませんが、ジャンルで言えば、ディスコからの流れをベースとして、テクノよりも横ノリ、官能的、男性的なマッチョさよりも、女性的なしなやかさ、そんなイメージです。
——MAW、で好きな曲を1曲教えてください。
The Bucketheads「The Bomb (These Sound Fall Into My Mind)」
Kenny Dopeのソロだと思いますが、自分が最初にMAWのことを知った当時ヒットしていた曲で、今聴いても好きです。
■前売りチケットはコチラ
https://ticketpay.jp/booking/?event_id=10712
■公式サイト
http://mawinjapan.com/