「rural」が産声をあげたのは2009年のこと。数十名ほどの規模で行われていた同フェスは、山梨県・道志村から、山梨県・玉川キャンプ場、新潟県・マウンテンパーク津南、長野県・湯ノ丸高原、長野県・内山牧場キャンプ場とロケーションを移し、最新鋭の音楽を提供できるよう試行錯誤とアップデートを重ねた結果、国内外から来場者が世界的なダンスミュージックの祭典へと成長を遂げた。開催11年目を迎える今年、ruralの開催地に選ばれたのは長野県・野沢温泉村のスタカ湖キャンプ場。ロケーションの魅力も含め、今年のruralにおいて注目すべきポイントをピックアップして紹介したい。
施設も充実!温泉街から近い湖畔の絶景サンクチュアリ
ruralとは「田園」という意味。その名の通り、美しい自然の情景が望めるロケーションを目指し、その場所の特性を活かした雰囲気作りに力を入れている。彼らが今年の会場に選んだのは、近年海外からも注目を浴びている野沢温泉村にほど近く、標高1300mの高原にある小さな湖・スタカ湖の湖畔。森林浴や野鳥のさえずりを楽しめ、天気が良ければ朝日やサンセット、満点の星空を望むこともできる。バンガローや貸テント、炊事場、トイレ、シャワーなどの施設も充実しているので、野外フェスビギナーもアウトドア初心者も安心&快適に過ごすことができるだろう。また、水辺のロケーションを活かしMillerbowlerや密林東京、KU KANによるデコレーションアートやNAGISA、m.o.r.i Lighting Desigerによるライティングも、今回の見どころひとつに挙げられる。
初来日&rural初参加のアーティストとレギュラー陣が織りなすスリリングなストーリー
ruralの魅力として特筆すべきは、独創性のあるエッジーなラインナップだ。雄大な自然の中に響き渡るディープなサウンド体験ができるのは、このフェスならではのもの。今年はSlikback、CCL、 Interstellar Funk、Black Merlin という各々異なる音楽性を持つ4組の初来日アーティスト、また、Alessandro Cortini、Djrum、Patrick Russell、Taskerというrural初登場の4組の公演が決定。そして、過去にruralのステージを支えたアーティスト数名がカムバックし、メインステージに登場する。
中でも特に注目したい4アーティストをピックアップ。
Function
2015年のrural出演以来、<OSTGUT TON>からのリリースされるニューアルバムを引っさげてライブセットで帰還するニューヨーク出身のアンダーグラウンドテクノヒーロー Function。
<Tresor>から6年ぶりとなるアルバム『Existenz』を発表し、9月1日からアルバムツアーをベルリンで開催される音と光の実験的表現を探索するフェスティバル「Berlin Atonal」を皮切りにスタートする。
Alessandro Cortini
Nine Inch Nailsの制作とライヴの活動に長年携わってきたことでも知られ、<Mute>から9月27日に発売されるソロ・アルバム『Volume Massimo 』のリリースツアーの一環としてruralに初登場するマルチインストゥルメンタリスト・Alessandro Cortini。最近ではアルバムから第二弾シングル「BATTICUORE」を発売しミュージックビデオも公開された。
Slickback
さらにアフリカならではのリズムとグルーヴでフロアを沸かすケニア出身のDJ兼プロデューサーであるSlickbackが初来日を果たす。
2017年Nyege Nyegeに参加後、2018年6月デビューEP“Lasakaneku” はカンパラを拠点とするハクナクララからリリース以降、彼の活躍は急激に進み、Nyege Nyege FestivalでのBoiler Roomステージ、ポーランドのUnsound Festivalでのヨーロッパデビューを含め3度のgigを行った。また、Unsound festivalの5つの重要なパフォーマンスの1つとして、Resident Advisorが1つのUnsoundセットを取り上げたこともあり、 Unsoundポッドキャストとしてオンラインで公開されたこのミックスは、The Guardian、Pitchfork、やCrack Magazineによって2018年10月のベストミックスにも選ばれるなど、今後、さらなる活躍が見込まれる。
Jane Fitz
彼女のDJは特定のカテゴライズすることは難しく、膨大な数のコレクションからチョイスするレコード群は、プレイするロケーションによって様々な表現を可能にし、また同じレコードであっても環境によって違った側面を引き出す。20年以上のキャリアを持ち、オーディエンスやプロモーター達から多大なる信頼を獲得してきた敏腕セレクター。ruralへは連続出演中で主催者からも絶大の信頼を置くDJである。
気鋭のアーティストとベテラン勢が入り乱れる多彩なラインナップの中、特に注目して欲しいアーティストを挙げるならこの4組だが、昨年に引き続き登場するサンフランシスコのベテランセレクター・Solar、そしてDJ NOBU、Wata Igarashi、Sapphire Slows、Chris SSG、Akiram Emといった、ruralを知り尽くした国内勢のパフォーマンスも見逃せない。さらに最終ラインナップで発表されたAOKI takamasa、日野浩志郎のソロ・プロジェクトYPYによるライヴセット、近年では海外での公演も精力的にこなすDJ YAZI、さらに湖畔にステージをかまえる<LAKE STAGE>ではベテランDJユニット悪魔の沼 (Compuma、Dr.Nishimura、Awano)らがラインナップされた。
rural初参戦のアーティストと、過去にruralを何度も沸かせてきた盤石の布陣が独自性を発揮しながら混一することで、スリリングさとともに安心して身を委ねられるストーリーが実現される。なお、今年は朝日を拝めるタイミングまで音楽を楽しめる日程が用意されている。没入感と開放感、そしてカタルシス。レイヴの醍醐味を存分に味わえる好機をお見逃しなく。
詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。
https://ruraljp.com
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