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Jeff Mills

AXIS

1963年アメリカ、デトロイト市生まれ。現在のエレクトロニック・ミュージックの原点ともいえるジャンル“デトロイト・テクノ”のパイオニア的存在。シカゴとパリを拠点に1992年に自ら設立したレコードレーベル<Axis(アクシス)>を中心に数多くの作品を発表。またDJとして年間100回近いイベントを世界中で行っている。

ジェフ・ミルズの代表曲のひとつである「The Bells」は、アナログレコードで発表された作品にも関わらず、これまで世界で50万枚以上のセールスを記録するテクノ・ミュージックの記念碑的作品となっている。

ジェフ・ミルズは、音楽のみならず近代アートのコラボレーションも積極的に行っており、フリッツ・ラング監督「メトロポリス(Metropolis)」、「月世界の女(Woman in the Moon)」、バスター・キートン監督「キートンの恋愛三代記(The Three Ages)」などのサイレントムービー作品のために、新たにサウンドトラックを書き下ろし、リアルタイムで音楽と映像をミックスしながら上映するイベント、“シネミックス(Cinemix)”を数多く行う。また、ポンピドーセンター「イタリアフューチャリズム100周年展」(2008年)、「Dacer Sa vie」展(2012年)、ケブランリー博物館「Disapola」(2007)年など、アートインタレーション作品の展示も行う。数々のアート活動が高く評価され、2007年にはフランス政府より日本の文化勲章にあたる芸術文化勲章シュヴァリエ(Chevalier des Arts et des Lettres)を授与される。

ジェフ・ミルズは長年にわたりシンフォニー・オーケストラとの共演を行ってきており、その模様をDVDとして広くオーディエンスに拡散した世界初のDJでもある。2005年、フランス南部のポン・デゥ・ガールにて行われた、モンペリエ交響楽団との演奏は「ブルー・ポテンシャル」としてDVD化され。これをきっかけに世界中のオーケストラとの共演がスタート。2012年、「ブルー・ポテンシャル」の発展形であり、ミルズの代表曲「The Bells」などを含んだ「ライト・フロム・アウトサイドワールド (外界から見た光)」をパリのサルプレイエルにて公演。その後もポルトガル、ベルギー、オーストラリア、オランダ、ポーランドなど世界中で公演を行っている。2013年にはシルベイン・グリオット編曲による新作「ウェア・ライト・エンズ(光の終局点)」を発表し、フランス7箇所にて公演。

「ウェア・ライト・エンズ」は、日本人で初めてスペースシャトルに宇宙飛行士として搭乗した、日本科学未来館館長の毛利衛氏との対話から生まれた作品で2013年4月にCD作品として発表されたものである。

2016年、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで開催されたイベント『爆クラ!presents ジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団』の中でも披露され、毛利衛氏も来場し会場を沸かせた。なお、2013年、日本科学未来館館のシンボル、地球ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」を取り囲む空間オーバルブリッジで流れる音楽「インナーコスモス・サウンドトラック」はジェフ・ミルズが作曲。現在もその音楽が使用されている。(*2001年の開館時、Geo-Cosmosの公開とともに、坂本龍一氏が音楽を担当。2013年から、ジェフ・ミルズの音楽に変更)オーケストラとの共演以外には、クロノス・クァルテット、キャサリン・スプローブ(ピアニスト)、ミハイル・ルディ(ピアニスト)などとコラボレーションの経歴がある。ミルズとオーケストラの共演公演はこれまで全世界ですべてソールドアウトとなっており、クラシック音楽シーンに革新をお越し、クラシックファンが新しい音楽性を発見する絶好の機会となっている。エレクトロニック・ミュージック・シーンのパイオニアでありながら、クラシック音楽界に革新を起こす存在として世界の注目を浴びている。